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狙うはプロ級!? ニコン「D300S」で撮影スキルを鍛え直す 第4回

ニコンの「マイクロ」レンズを使って接写に挑戦

2010年05月13日 12時00分更新

文● 小林 伸

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接写であれば最小絞りが重要

マイクロニッコール200mmf4(左)とマイクロニッコール85mmf3.5(右)で被写体に近づいてみる

 マイクロレンズはレンズの開放値自体は単焦点レンズと言えど、それほど明るくないものが多い。近年でこそF2.8やF2.0といった大口径のものが出てきたが、以前であれば50mmでもF3.5やF4なんてものもあった。

 ただ、接写する時にはあまり開放F値は重要になってこない。以前の肉眼でピント合わせするMF一眼レフであれば、ファインダー内のスクリーンに映る映像が暗いよりも明るいほうがピントも合わせやすいので重宝したが、現在のAFを搭載したデジタル一眼レフであればF4程度の明るさがあればフレーミング自体に影響はないだろう。

マイクロニッコール200mmf4使用時の絞りの変化(左はF5.6、右はF22)。開放F値から一段絞っただけのF5.6では、花のおしべ部分にしかピントはきていない。これをF22まで絞るとほぼ花びら全体とめしべ辺りにまでピントが来た。それでも背景部分とは何十㎝かの距離があり、ボケてしまっている。接写時にはこのように絞りを駆使して自分のイメージにあった被写界深度を得るようにする

 それよりも最小絞りがどれだけあるのか? のほうが重要になってくる。最短撮影時ではF16やF22といった普段使用しないような絞りも対象によっては必要になる。このような最小絞り時でも画質を保つよう設計されているのがマイクロレンズの特徴と言える。

 さらに中望遠マクロのマイクロニッコール85mmf3.5と望遠マクロのマイクロニッコール200mmf4では、同じ等倍の撮影倍率の時、対象との距離で倍近い差が生まれる。

 離れて撮影できるということは、虫などの生物を撮る時に相手を驚かす恐れが少ない。さらに距離が離れている分だけ照明を入れられたり、カメラの影が対象に落ちる危険も減ることになる。こういったメリットがマイクロレンズを使用するきっかけとなってくるわけだ。

 いきなり重量級で高級なマイクロニッコール200mmf4はなかなか手が出ないと思うが、手ブレ防止機構のついたマイクロニッコール85mmf3.5であれば手軽に手持ちの接写が行なえて、初心者向けにはお勧めの一本と言えそうだ。

 というわけで今回はここまで。次回は被写界深度や絞りの話を中心に、カメラ側の設定方法を紹介する。


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