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ホスティング事業者を即座にPaaS業者へ

ドラッグ&ドロップでクラウドを管理するmCloudの新版

2010年05月12日 08時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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5月11日、モーフ・ラボはクラウド環境の構築と管理を自動化する「mCloudシリーズ」についての発表を行なった。既存のハードウェアリソースだけでなく、オープンなAPIを公開しているパブリッククラウドもシームレスに統合管理できる。

クラウドをコントロールするmCloud

会社概要やmCloudについて説明したモーフ・ラボ 代表取締役社長 金野諭氏

 米モーフ・ラボ(Morphlabs)はオープンソース系技術をベースにクラウド関連の製品やサービスを提供する「G2iX」というグループに属する米国のベンダー。G2iXはIBMのWebSphereに組み込まれているグルーコードの創業者として知られるウィンストン・ダマニーロ氏が2001年に創業し、クラウド基盤を提供するモーフ・ラボのほか、エンジニアグループのイグジストグローバル(Exist Global)、クラウド上でのツールを開発するマエストロ・デブ(Maestro Dev)によってグループを構成している。モーフ・ラボ 代表取締役社長 金野諭氏は「モーフのmCloudというインフラ上でイグジストのエンジニアたちが、マエストロ・ラボのツールを使っている感じ」と説明している。日本法人は2010年の2月に設立されたばかり。

 モーフ・ラボが提供するmCloudは、仮想化されたハードウェアリソースを制御・管理するためのエンジンを提供する。異なるクラウドの環境設定を、数回のクリックだけで簡単構築できるというメリットがある。ローカルにある仮想化ソフトウェアに加え、オープンなAPIを公開しているAmazon AWSやEucalyptusなどのIaaSのコントローラも制御でき、数千台規模の仮想マシンを効率的に一元管理できるという。

仮想化されたハードウェアを制御することでプラットフォーム化するmCloud

 実際のクラウド運用には単なるハードウェアの仮想化のみでは、必要な要素の多くが欠けている。これに対してmCloudでは、アプリケーションの処理能力を増強するための仮想マシンの増設にともなうルーティングやDNS設定、クラスタ化、バックアップなどをすべて自動設定できる。また、開発者向けにアプリケーションの登録や環境設定(プロビジョニング)、リソース確保、監視なども可能だ。Java、PHP、Ruby on Railsの3言語に関しては、アプリケーション登録用の設定ファイルを抽出できる。具体的には、「mCloudコントローラ」というアプライアンスをユーザー側のインフラに導入することで、プライベートクラウドとパブリッククラウドを制御する。

プライベートクラウドだけではなく、パブリッククラウドを統合管理できるのが大きなメリット

ユニークな鳥瞰的クラウドビューを提供

 金野氏はmCloudのコントロールパネルで、クラウドの登録や運用などを操作デモを行なった。たとえば、開発者向けのGUIではドラッグ&ドロップで仮想マシンやデータベースなどを登録し、接続を構築することで、テンプレートを作る。テンプレートを介して作られた仮想マシンは「コンピュート」と呼ばれ、「たとえばPHP用とか、秒間100アクセス用とか、インフラ技術者のノウハウをテンプレート化できる」(金野氏)。あとはスタートを押せば、LAN内のハードウェアやAmazon AWSなど場所を問わずにリソースを取得しに行く。

開発者用の画面。左のペインからサーバーや開発環境をドラッグ&ドロップする

 今回提供開始されたmCloud コントローラ 2.1では、HA構成が標準搭載されたほか、システム全体を鳥瞰的に見ることができる高密度システム管理ビューの提供、開発者向けインターフェイスの刷新、コントロールパネルのカスタマイズ、Windowsコンピュートのサポート、レポート機能の向上など大幅な機能強化が図られている。特に高密度システム管理ビューは、クラウド全体>特定クラスタ>仮想サーバー、CPUやメモリなどのリソースなどドリルダウンして稼働状態を確認できるユニークなビュー。今回追加されたクラウド・ダッシュボードにより、リソースの使用率やアプリケーションの状況、データ転送量、ファイル/DBの使用量などもグラフで確認可能になった。

管理者用画面ではユニークな高密度システム管理ビューが用意された。色が濃い部分がCPUの利用率が高いところ

 mCloudコントローラは24カ月契約前提で、基本料と利用料金を月額で支払うという形態になる。初期ライセンスで最大100仮想マシンまでの管理が可能で、Xenが推奨。VMwareでは、別途追加ライセンスが必要になる。

 現状、ハードウェアプラットフォームを提供するデータセンターやホスティング事業者などをターゲットとしており、現在10社以上の企業が技術検証を行なっているという。今夏以降にサービス開始を予定する企業もあるとのこと。

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