プラズマテレビで見る迫力の3D映像
立体視も本物志向にこだわる! パナの3Dテレビ&BDレコ
2010年05月12日 12時00分更新
HDMI独立出力により音質も極上
前述の通り、DMR-BWT3000はHDMI出力を2系統装備しており、一方(SUB)を音声出力専用にする「HDMI独立出力」を設定で選択できる。
HDMI独立出力を試すと、予想通り音の品位が大幅に向上した。HDMI1系統出力のままでも、低音の伸びや音のキレといった感触が良くなっており、かなり上質な音になった印象があるのだが、HDMI独立出力を選ぶと、まずサラウンドの空間が広がる。オーケストラのホールの響きの余韻が増し、微小な音がより明瞭に聴こえることがわかる。そのため、映画でも広々とした荒野の音の響きから、街中のざわめき、部屋のなかの声の響きがはっきりと描き分けられ、非常に生々しい表現になる。
一言で言ってしまえば、ノイズなどによる靄のようなものが晴れ渡り、S/N感のいい音が得られるようになる。
ただし、単純に明るくクリアなサウンドというわけではなく、どちらかというと上品になった分、やや大人しくなったような感じはある。このためアクション映画の激しい銃撃シーンなどを見比べると、比較の上では歪み感が多いと感じるBW970の方が迫力があって、激しさが伝わりやすい。
BWT3000は個々の音は明瞭なのだが、耳を塞ぎたくなるようなやかましさがない分、音量が足りないかのように感じる。ノイズなどによる影響を踏まえて、より力感を重視したのがBW970で、ノイズを低減したBWT3000ではより忠実感のある再生に改善しているように感じる。
そのため、クオリティーの高さは感じるものの、やや冷静に眺めがちだったのだが、視聴を含めてわりと見慣れているBDソフトのある場面を見て、いきなり全身に鳥肌が立った。それは、わりとしんみりとしたシーンを経て、何らかの決意をした主人公が強い意志を持って立ち上がるという、クライマックスにありがちなシーンなのだが、その静から動への転じ方、音楽の盛り上がり方の勢いがとてもダイレクトだったからだ。
こけおどしの迫力はないが、身体を直接揺さぶるような力感がある。これは、音楽ソフトの方がそのダイナミックさの違いがはっきりとわかる。Dレンジの広がりと、音の立ち上がりの鋭さなど、本格的なオーディオ機器に通じるような鳴り方をする。
BDレコーダーでHDMI独立出力を採用したのは、ソニーに続いて2番目だが、いずれもその効果はかなり大きく、ハイエンドなAVのクオリティーを求める人には注目度が高い。BDプレーヤーなど、本格的なAV機器に匹敵する実力をBDレコーダーが手に入れたと言っていいだろう。
本物志向で3D映像を堪能したい方にお勧め
これだけ画質/音質を追求しながら、しかも3D対応である。価格的にも約30万円とハイエンドAV機器に相応しいお値段だが、それだけの内容は十分に持ち合わせていると思う。3Dは注目度も高く、今後はほとんどのテレビやレコーダーが3D対応となるくらいに普及していくべきものだが、現時点で最高のクオリティを持つ映像と音の体験としての趣味的な意味合いもある。
今後発売が待たれるソニーに比べると、パナソニックは明確に本物志向を打ち出しているが、その最高の映像と音に関心を持つ人にとって、TH-P50VT2、DMR-BWT3000ともに見逃せない製品であることは間違いない。
ラインナップの充実度や価格、機能性ではより魅力のあるソニーの3Dテレビがどこまでパナソニックに肉薄できるのかも、楽しみなところだ。
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