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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第4回

プラズマテレビで見る迫力の3D映像

立体視も本物志向にこだわる! パナの3Dテレビ&BDレコ

2010年05月12日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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2Dでも最高画質を追求

従来のパネルとフル・ブラックパネルの違い

従来のパネルとフル・ブラックパネルの違い

 TH-P50VT2の2D表示についてもレビューしよう。本機のフル・ブラックパネルは、3D表示関連の技術を省いたものが2Dテレビの「V2」シリーズにも採用されているが、基本的に3Dに特化したパネルではなく、プラズマパネルの性能を抜本的に向上することが第一義となっている。3D対応はあくまでもその延長上にあるものとパナソニックは考えている。

 そのため、2D画質も大きな自信を持っている。3Dでは従来の約1/2で120コマ表示を行なうが、本機はその短い時間でも従来モデルと同レベルの階調再現が可能となっている。プラズマは時分割で映像を表示するので、表示するための時間が長くなるほど階調性(明暗の微妙な差)には有利だ。これを利用し、毎秒60コマ表示の2D表示では階調性を2倍相当にまで向上しているというわけだ。

 もともと、V2シリーズなどでも暗部の階調表現はなかなか見事だったが、VT2ではより滑らかでノイズ感もさらに低減されていた。黒が締まるハイコントラストな映像という基本的な画質傾向は共通だが、それがより滑らかで上質になった印象がある。

 3Dテレビである以上、コンテンツ不足はどうしても気になるが、現時点では最高レベルの高画質が楽しめる2Dテレビとしても、本機は高い実力を持っている。将来性を考えれば、V2シリーズとのおよそ7万円ほどの価格差も許容できるものと思う。


2D映像こそが真の魅力? 3D DIGA「DMR-BWT3000」

「DMR-BWT3000」の前面パネルを開いたところ。IEEE 1394やUSB、SDメモリーカードスロットなどを搭載

「DMR-BWT3000」の前面パネルを開いたところ。IEEE 1394やUSB、SDメモリーカードスロットなどを搭載

 続いてDMR-BWT3000を見ていこう。すでに軽く紹介したとおり、MPEG-4 MVCに対応していることが、3Dモデルとしての最大の特徴。MPEG-4 MVCは、左右独立したフルハイビジョン映像を効率良く圧縮するための方式で、単純計算なら2倍もの情報量になってしまうところを、左右の映像の共通する部分(視差によるブレがない部分)など、独立して記録する必要のない部分をまとめることで、従来のフルHD映像の約1.5倍程度の情報量で記録することができる。

再生設定の設定画面。ここに3Dソフトの設定が加わっている。といっても、3Dソフトを3Dのまま再生するかどうかを決める程度。3Dソフトの注意表示を「入/切」できるのはありがたい

再生設定の設定画面。ここに3Dソフトの設定が加わっている。といっても、3Dソフトを3Dのまま再生するかどうかを決める程度。3Dソフトの注意表示を「入/切」できるのはありがたい

3Dディスクの再生方法では、3Dのまま、2Dで再生、再生時に選択が選べる。組み合わせるテレビに合わせて選ぶといいだろう

3Dディスクの再生方法では、「3D再生」(3Dのまま)、「2D再生」(2Dで再生)、「再生時選択」が選べる。組み合わせるテレビに合わせて選ぶといいだろう

3Dディスク再生時の注意表示を表示させなくすることも可能。個人用ならば「切」でいいが、家族みんなで使う場合は「入」にしておく方が安全かも

3Dディスク再生時の注意表示を表示させなくすることも可能。個人用ならば「切」でいいが、家族みんなで使う場合は「入」にしておく方が安全かも

 このような方式が実現された理由は、BDの容量を効率良く使うため。現在の市販BDソフトは本編が長くても3時間程度で、それ以上に本編が長くなると、圧縮による劣化が散見されがち。3D映像をそのまま収録すれば、記録時間は半分となり、3時間もの長時間映像は、かなり劣化を免れないだろう。いずれにしても、3D映像は情報量の増加にともなう画質劣化が不安要素となる。

 余談となるが、3D映画の大ヒット作「アバター」は、先行して2D版BDが発売されたが、映像特典などをすべて省き、BDの容量を本編だけに使って驚くほどの高画質を実現している。果たして3D版が根本的な画質という意味でどこまで2D版に迫れるかは、かなり気になるところだ。

 話をDMR-BWT3000に戻そう。3D対応以外はつまるところHDDを2TB内蔵したダブルチューナーのBDレコーダーとなる。最長10倍の長時間録画といった新機能も、現行のスタンダードモデルと同様で、3D対応モデルならではの機能は「スカパー! HD」録画に対応している点くらいとなる。

 これに加えて、BWT3000とBWT2000ではHDMI出力が2系統となっているのが主な違い。カラーはダークブラウンのカラーがあしらわれて差別化されているが、基本的なデザインも共通。リモコンはBWT3000だけが新デザインの無線通信対応となっている。これらが全体的な概要だ。

プレミアムモデルならではの機能である「シアターモード」も継続採用。今回も「シアターモード:入」で視聴を行なっている

プレミアムモデルならではの機能である「シアターモード」も継続採用。今回も「シアターモード:入」で視聴を行なっている

 使い勝手や機能なども、現行モデルの「DMR-BW880」とほぼ同様で、無線LANによるネットワーク接続にも対応している。一世代前のプレミアムモデル「DMR-BW970」と比べて大きく変わったのは動作のレスポンスで、チャンネル切り替えなどの表示は明らかに高速化された。メニュー操作のレスポンスも全般的によりスムーズになっている。これは、システムLSIの「ユニフィエ」が新世代のものとなっているためだ。

ネットワーク設定は有線LANのほか無線LANにも対応している。「お部屋ジャンプリンク」(DLNA)の設定もより分かりやすくなった

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