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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第13回

目的や環境でポインティングデバイスを使い分ける技

2010年05月11日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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マウス操作がメインならペンタブレットも便利

 ペンタブレットをポインティングデバイスとして使う手もある。板状のデバイスで、ペンや指で表面をなぞってポインターを動かしたり、クリック・ダブルクリックなどマウスと同じ操作ができる。パソコンで絵を描くユーザー向けと思われがちだが、一般的な用途にも十分利用できる。

 タブレットデバイスでは、ワコムがトップブランドだ。サイズや付属ソフトなどの違いで多彩なラインナップを用意している。中でもコンシューマー向けの「Bamboo」シリーズは、指でも操作できるマルチタッチ機能も搭載している。ズームや回転などを2本指でできるのだ。

ワコムのマルチタッチ対応ペンタブレット「Bamboo Fun Medium」

ワコムのマルチタッチ対応ペンタブレット「Bamboo Fun Medium」。直販価格は1万9980円

 今回は「Bamboo Fun Medium」(CTH-661/W0)を使用してみた。USB接続で、読み取り可能範囲は147.2×92mm。タッチ入力は静電結合方式で、2本指の同時入力を検出できる。ペン入力は電磁誘導方式で、近づけるだけで反応する。

 ペン操作には独特の癖がある。ほかのポインティングデバイスと異なり、ディスプレーの位置とタブレットの位置が対応しているのだ。タブレットの右下にペンを置けば、カーソル位置がどこであっても、デスクトップの右下にフォーカスされる。マウスやトラックボールしか使ったことがない人は戸惑うだろう。しかし、慣れるとなかなか快適だ。複数のフルHD液晶ディスプレーを並べて使っているような場合でも、任意の場所に即フォーカスできるのだ。

ペン操作は癖があるが、慣れるとかなり快適

ペン操作は癖があるが、慣れるとかなり快適。マルチディスプレーとの組み合わせにも適する

 個人的には、ドラッグ&ドロップの操作が一番楽にできる。以前、1日中マウスでドラッグ&ドロップしていた際に腱鞘炎になりかけ、手のひらサイズのペンタブレットに救ってもらったこともある。ペンを置いて動かすだけでドラッグ&ドロップできるので、指にほとんど力を入れなくていいのだ。

ペンは特に文字入力や絵を描く際に活躍する

ペンは特に文字入力や絵を描く際に活躍する

 エクスプローラーだけでなくウェブブラウザーも快適に操作できる。写真の閲覧や編集などはお手の物だ。キーボードをほとんど使わず、マウス操作がメインの際には意外と活躍する。とは言っても、細かい作業や「キーボードとマウスを半々くらいで使う」ようなシチュエーションでは、無理にペンタブレットを使う必要はない。

 フリーハンドの操作はタブレットの十八番だ。絵を描くのはもちろん、写真編集時に被写体を選択したり、文字を書き込むのも簡単。PDFファイルのビジネス文書に赤ペンで注意点を入れておくと、できる人っぽくて印象がいいかもしれに。文章はワープロ入力でも、署名だけ自筆で書くこともできる。読めない漢字も手書きで写すだけで入力できるなど、ペンタブレットのメリットは大きい。タブレットパソコンと異なり、画面と操作面が離れている点に違和感を感じるかもしれないが、すぐに慣れて自在に操作できるようになる。

 タッチ操作対応のタブレットは、指で操作できるので使っていても面白い。ノートパソコンのタッチパッドとは、比べものにならないほど大きいので操作性は上々だ。とはいえ、マウスやトラックボールと比べると細かい操作が苦手だし、ペン操作ほど素早く動かせないというネックはある。

指でのマルチタッチ操作もできる

指でのマルチタッチ操作もできる

 価格は1~2万円程度と高級マウスと同等か、それより少し高いくらいだ。マウスやトラックボールよりも常に操作しやすいとは言えないが、マウスでできることはすべて、ペンタブレットでもできることは覚えておいてもいいだろう。ペンタブレットが欲しくなったときに、背中を押してくれる理由になる。

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筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)。


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