キーボードと同様に、ポインティングデバイスもパソコンでの操作性や生産性を大きく左右する。代表的なポインティングデバイスであるマウスでも、数百円のバルク品から1万円を越える製品までラインナップは豊富。さらには、トラックボールやタブレットなどのデバイスもある。今回は、快適にパソコンを操作するために最適なポインティングデバイス選びのキモを紹介しよう。
狭い机で大画面を扱うのに最適なトラックボール
トラックボールは、指でボールを回すことでポインタを動かす。そのため、マウスのようにデバイスを動かす場所を必要としないのがメリットだ。操作時はトラックボールの上に手を置いたままでいい。ボタンの位置は製品によって異なるが、左右のクリックボタンに加えて、ホイールや戻る/進むボタンも備えているものもある。
マウスと比べるとニッチな製品で選択肢が少ないうえ、大抵の製品は高級マウス並の価格となっている。とはいえ、マウスと比べた時のメリットも大きく、根強い人気を集めている。
また、マルチディスプレーなどで広大なデスクトップを利用している場合、画面の端から端までポインターを移動させるには、マウスを浮かせて元の位置に戻す必要がある。その点トラックボールなら、そのままのポジションで指先を動かすだけでいい。
手の位置を固定できるので、手首や肘、肩の負担が少ないのもいい。手首の負担と言うと「スポーツ選手じゃないんだから」と言われそうだが、四六時中パソコンに向かっていると、作業内容によっては腱鞘炎になるのだ。手首や肘が痛いのに、大きくマウスを動かす操作をする時のつらさは言葉にできない。トラックボールにすれば、痛みや症状の進行を抑えられる。
また、トラックボールの中には、左右対称の形になっているものもあり、左手でも利用できる。左利きの人はもちろん、右手の負担を抑えるために左手で操作したい人にも向いている。ボールから手を離せばポインターの位置が止まるので、不器用な操作でもなんとかなるのだ。
細かい操作が苦手で絵を描いたりゲームをするのに向いていないと言われることも多い。しかし、筆者は細かい操作も問題なくできるし、ゲームも普通にプレイできる。絵心はないしヘビーゲーマーでもないが、通常の使い方であれば支障はない。
トラックボールはロジクールや米ケンジントン、サンワサプライといったメーカーが定番だ。右手用や両手用、親指部分にボールを搭載したマウスタイプの3モデルが一般的だ。筆者は右手で操作するので、右手用にカスタマイズされたモデルが好みだ。マウスと似た感覚で利用したいなら、親指ボールタイプがお勧め。クリック/右クリックがマウスと同じようにできるのが便利だ。左右対称タイプは左手でも操作できる。
今回取り上げるロジクールの「Cordless Optical TrackMan」(TM-400)は、ワイヤレス式のトラックボールだ。ロジクールらしいエルゴノミクスデザインで、ボディーは大型マウスよりも一回り大きい。手のひらをボディに乗せて、人差し指や中指で操作する。筆者はスクロールボタンを多用するので、人差し指はホイール近くで遊ばせている。そのため、ボールは中指と薬指で動かすことが多い。右クリックボタンは薬指もしくは小指で押す。
ボールの動きはとても滑らかだ。とはいえ、ころころと回り続けるようなことはなく、勢いを付けて回してもすぐに止まる。ポインターの移動速度は、付属ソフトの「SetPoint」で設定できる。加速度を付けたり、ポインターの軌跡を表示させることも可能。
カスタマイズ可能な8ボタンを備えており、「戻る・進む」のほかに、スタートボタンや最大化などの動作を各ボタンに割り振れる。独自のキーストロークを割り当てることも可能で、「Ctrl+C」や「Ctrl+V」キーを割り当てて、ボタンでコピー&ペーストするという使い方もある。
Cordless Optical TrackManは今手に入る右手用の製品としては、最も気に入っている。ちょうどよい角度でボールが付いていて負担なく操作できるし、見た目もいい。ボディーはやや大きめだが、机の上がごちゃごちゃしていても操作できる便利さは手放せない。ただし、せっかくのワイヤレス式なのに、同社の最新無線レシーバー「Unifyingレシーバー」に対応していないのがもったいない。マウスやキーボードと併用することもあるのだから、レシーバーはひとつにまとめたいところだ。

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