Windows Serverで学ぶサーバOS入門 第15回

Active Directorの設定が終わったら活用しよう

グループポリシーでクライアント管理

グループポリシーオブジェクトの適用先

　GPOを作成してポリシーを設定したら、そのGPOをユーザーやコンピュータに適用する。これを「リンク」と呼ぶ。GPOは、OU、ドメイン、サイトのいずれかにリンクできる。一方、ユーザーやコンピュータに直接リンクすることはできない。

　さて、リンクを行なうには2つの方法がある。1つは、リンクしたいOUに対してGPOをドラッグ＆ドロップする方法である。手軽だが、マウスを持つ手が滑って、思わぬところにリンクが設定されてしまう危険がある。確認のダイアログボックスでは、どのOUにリンクを設定するか表示されないのでドロップは慎重に行なってほしい。もう1つは、OUを右クリックして「既存のGPOのリンク」を選ぶ方法である（画面9、10）。直感的ではないが、ミスは少ないのでお勧めだ。

画面9●安全にGPOをコンピュータやPCにリンクする方法

画面10●リンク先を指定

　そのほか、OUを右クリックして「このドメインにGPOを作成し、このコンテナにリンクする」というメニューもあるが、あまりお勧めしない。GPO作成と同時にリンクされるため、GPOの設定が中途半端なまま適用されてしまうことがあるからだ。10のポリシーを設定したいのに、5つだけ設定した段階でクライアントがログオンしてしまうような状況を想像してほしい。

　なお、単一のGPOを複数の場所にリンクすることもできる。ただしこの場合、1つのGPOを変更すると複数の場所に影響が出る。そのため、運用には注意してほしい。

　本記事は、ネットワークマガジンにて掲載していた連載をまとめたものです。連載の一部は弊社刊行の書籍「Windows Serverマスターガイド」にも収録をしております。

　また、月刊アスキードットテクノロジーズでは、2010年3月号より本記事の執筆者である横山哲也氏による連載「Windows Server 2008 R2運用テクニック」を掲載しております。最新のWindows Serverの情報に関しましては、こちらもご覧ください。