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日本市場を強く意識した省スペース型ワークステーション

ベンチで知る、HP Z200 SFF

2010年05月11日 15時23分更新

文● 石井英男

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ハイエンドデスクトップに匹敵する性能を実現

 最後に、Z200 SFFのパフォーマンスを検証してみたい。ベンチマークプログラムとしては、3Dレンダリングベンチマークテストの「CINEBENCH R10」とエンコードソフトの「TMPGEnc 4.0 XPress」を利用した。

 どちらもマルチスレッド対応ソフトであり、特にCINEBENCH R10は、最大16スレッドの同時実行に対応しており、実行スレッド数が増えるとパフォーマンスもリニアに向上しやすいベンチマークだ。

 比較のために、クアッドコアCPUのPhenom II X4 955 Black Edition搭載PC(メモリー2GB、OSはWindows Vista Home Premium SP1)でも同じベンチマークテストを行ってみた。 Phenom II X4 955 Black Editionは、3.2GHz動作のクアッドコアCPUであり、Phenom II X4シリーズの中では、Phenom II X4 965 Black Editionに次ぐ高性能CPUだ。

   結果は、下のグラフに示したとおりだ。CINEBENCH R10 32bitのスコアは、Core i5-670搭載のZ200 SFFが9176であるのに対し、Phenom II X4 955 BE搭載PCは10447であり、Phenom II X4 955 BE搭載PCのほうが高いが、その差は1割強しかなく、Z200 SFFのパフォーマンスはハイエンドデスクトップと比べても遜色がないといえる。

ベンチマーク1

 Core i5-670は、デュアルコア/4スレッド実行だが、上位のXeon X3450/Xeon X3470はクアッドコア/8スレッド実行が可能であり、さらにパフォーマンスは高くなる。TMPGEnc 4.0 XPressでは、1440×1080ドットのWMV形式の動画(長さは85秒)をBlu-rayスペックのMPEG-2形式(1920×1080ドット、VBR、32Mbps)に変換するのにかかった時間を計測した。その結果、HP Z200 SFFは223秒かかったのに対し、Phenom II X4 955 BEでは217秒かかった。こちらはほとんど互角といってよいだろう。

ベンチマーク1


日本市場のニーズに応えた製品

 Z200 SFFは、高い省スペース性を実現しながら、基本性能を犠牲にしていないことが魅力だ。もちろん、信頼性や安定性についてもトップクラスであり、ワークステーションとしての完成度は高い。

 価格はパーツ構成によって大きく変わり、試用機の構成では22万円程度だが、「電脳Oh!仕事戦隊ぜーっと2キャンペーンモデル」の最小構成では9万4500円と、かなりリーズナブルだ。メンテナンス性の高い筐体や高い静音性も評価できる。日本市場のニーズにあった製品であり、特に3D CGやCADなどを頻繁に利用するが、大きなタワー筐体を置くようなスペースはないという人にお勧めしたい。

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