業務に没頭できるキビキビとした動作
今回試用したVAIO Zは、SSDのRAID0構成を選べる中では、最小構成モデルとなる。CPUにCore i5-520M(2.40GHz)、4GBメモリー、そして64GBのSSD2台によるRAID0構成(容量は計128GB)。OSには、Windows 7 Home Premiumを搭載し、構成価格は18万4300円だ。
Windows エクスペリエンス インデックスでは、メモリー以外はスコア6以上の評価を得ており、「CrystalMark 2004R3」でのPC性能計測では、総合スコアのMark値は「162382」、CPU性能を表すALU値(整数演算速度)は「32940」で、FPU値(浮動小数点演算速度)は「32849」となった。
また、HDD値(ストレージアクセス速度)は、ノートPC用の2.5インチHDDの場合、おおよそ7000~9000前後だが、VAIO Zでは「30037」をマークした。ストレージの速度を図るベンチマークソフト「CrystalDiskMark 3.0 x64」での値も、RAID 0構成のためシーケンシャルリードとライト速度が現行のMLCチップを搭載したSSD単体よりも高速になっている。
実際の操作感は、やはりアプリケーションの起動や操作はキビキビとしている。また、OSの起動時間をストップウォッチで計ったところ、電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまでは35秒、HDDのアクセスランプが消えるまでは約46秒と、「Fast Boot機能」をもつCF-R9と同等の起動時間を実現しており、とにかく待たされることがない。
高性能と省電力を両立
新VAIO Zは、グラフィックスチップとしてNVIDIA GeForce GT 330Mを採用しているため、グラフィックスの処理能力も高い。そこで気になるのはバッテリーの持ち時間だ。バッテリーベンチマークソフトの「BBench」を使用し、計測時にはBBenchの設定でキーストロークとWeb巡回機能をONにし、PCの画面輝度は最大でワイヤレスLANもONにしたところ、結果は6時間3分52秒となった。
この理由として、最新の省電力なパーツを採用していることに加え、従来からVAIO Zで搭載されている「ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス」機能により、高度な処理能力をもつグラフィックスチップのNVIDIA GeForce GT 330Mと、低消費電力のCPU内蔵グラフィックスを使い分けられることが大きい。
ファンクションキーの上部にあるスイッチを「AUTO」に設定しておくと、AC駆動時はNVIDIA GeForce GT 330M、バッテリー駆動時はCPU内蔵グラフィックスに自動で切り替わるシステムだ。バッテリーベンチ時、この設定はAUTOで実行している。
また、光センサーも内蔵し、周囲の明るさに合わせて輝度を調節してくれる機能も省電力化に貢献している。実際に薄暗い部屋で使うと、視認性を保ちつつ自動的に輝度が下がるのを確認できた。バッテリーの消費を防ぐだけでなく、薄暗い部屋でのプレゼンなどにおいて、PCだけが明るく目立つといった事態を防げるのもメリットだ。
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