このページの本文へ

SUPER GTに痛車が参戦! 初音ミク×GSRポルシェ密着レポート 第18回

GT決勝で奇蹟の追い上げを見せたミクポルシェ

2010年05月07日 22時05分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 ●撮影/鉄谷康博、加藤智充、編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

関係者インタビュー

大橋監督

 今回の作戦としては、第1スティントは番場選手がコンビネーション(左右で違うコンパウンドにして、耐久性と性能のバランスを取るセット)で行けるところまで行き、路面温度などの状況次第でタイヤを変えて、そのタイヤを佐々木選手がなるべく使わずに走り、最後のピットで番場選手が残ったタイヤを頑張って使う、というものでした。最初からタイヤ交換は1回だけの予定だったんです。

 僕らはハードコンパウンドのタイヤで長距離を走ったデータがなかったんです。でもハンコックさんが全然大丈夫という話をしていたのと、タイヤの使い方を熱心に研究していたドライバーを信じて2回目の交換はナシでいこうと。順位を落とさずにタイヤも使わないって一番難しいことだとは思いますが、佐々木選手は見事に番場選手に繋いでくれました。GT500への抜かれ方もわかってきたみたいですし、これまでは無理矢理曲げていたところを、きちんとタイヤを労ってドライブしてくれたし、とても良い仕事をしてくれましたね!

 また、序盤にガンガン抜いてくれた番場選手にも驚かされました。正直、ZENTポルシェやハンコックポルシェ、アストンマーチンあたりは同じようなクルマの性質なので、厳しいかなとは思っていたんです。だから5位くらいまではいけるんじゃないかとは考えていたんですが……。本当にその順位まで持って行った番場選手はさすがですね。クルマが良いというのもありますけど、ウチのドライバーふたりは静と動じゃないですが、キチンとそれぞれの仕事を与えてモチベーションを高めてあげると、今回みたいな働きをしてくれるんだということが良くわかりました(笑)。

 次のSUGOではいよいよニューマシンのお披露目ですけど、佐々木選手のホームコースだし、両ドライバーの差があまり出ないで走ってくれると思います。両ドライバーの差が縮まるということは、それだけチームとしても戦闘力がアップするということですからね。ポルシェとSUGOの相性はわかりませんが、今度のニューマシンもいろんなレースで勝ってますし、クルマのポテンシャルが高いということはそれだけ苦手なコースもカバーできるということですし、ファンの皆さん同様、僕も期待しています!

番場選手

 スピンに関しては申し訳ないと言うしかありません。最初のあのタイミングしか順位を上げていくチャンスはないだろうと思ったんで、ちょっと冷静さに欠けてしまいました。焦らずに次の周にしようという判断ができていればあんなことにはならなかったんじゃないかと思っています。

 ポルシェはブレーキを踏んだ状態でハンドルを切るとリアタイヤがロックするんですね。そうなると非常に不安定になります。カローラを抜いた直後、カローラが抜き返してくるんじゃないかってことが頭をよぎってブレーキングポイントをいつもより遅らせてしまいました。本当ならしちゃいけないんですけど、やっぱり抜かれたくないって気持ちが先行しちゃって、最終的にハンコックポルシェにぶつかりそうになったんです。ブレーキを戻しながらハンドルを切るべきなんですが、戻すことができずにそのままハンドルを切った結果、スピンになってしまいました。「たられば」になっちゃいますが、あそこでもう1周待つことができれば……。そう思うと非常に悔しいですね。今回は反省することが多いです。

 後半、タイヤ無交換で行きましたけど、佐々木選手がうまく走ってくれたおかげで、タイヤ自体は全然余裕でしたね。最初から2人でタイヤを労っていこうという作戦もあったので。

 次の997は乗っていないのでまだ実力は未知数ですけど、ポルシェもだいぶわかってきたので、もっと集中して上位を狙いたいですね。次のSUGOは得意か不得意かはわからないですが、僕自身としてはゲンの良いコースですね。良い走りを北のファンの方々に見せます!

佐々木選手

 僕はこれまで、スーパー耐久などではファーストドライバーとして走ってきました。ですから当然ベストタイムは欲しいです。ドライバーはタイムで判断されますし。しかし、GTではセカンドドライバーなので、役割分担をキッチリ守らないと勝てません。今回の僕の仕事は番場選手のためにタイヤを少しでも残してバトンを渡すことでした。

 あまりタイムが上下せずにほとんど46秒台で走っていたんですが、あるところだけ48秒台に下がったんです。それはGT300のトップが来たので譲ろうと思ったら3台ほどトップが固まってて(笑)。それでタイムが落ちたんですが、あとは最後のピットインをするまではまたコンスタントに46秒台で走っていました。ピットインしたときも番場選手が「タイヤは残っている」と言ってくれたので、良い仕事ができたと思います。これで順位を少しでも上げられてたらさらにベストだったんですけど。

 序盤、番場選手が見せた走りには、僕も熱くなってしまいました。それが今回の走りに繋がったんじゃないでしょうか。次の997も同じように乗れるよう頑張ります! SUGOは僕のホームコースなので、地の利を活かせると思いますよ!

(次ページへ続く)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ