スカパー!HDを含めた3番組同時録画が魅力
10倍録画の実力は!? 新「AQUOSブルーレイ」を試す
2010年05月06日 12時00分更新
キラっとした輝きが印象的 精細感に優れたクリアな映像
さて、いよいよ画質・音質をチェックしてみよう。本機はミドルクラスモデルのため、同社の最上位機「HDW50」のような高画質・高音質パーツは投入されてはいない。だが、画質的にはなかなか精細感の高い映像となっている。
一言でいえば明るくクリアな画質で、よくよく見ていくと、絶対的な情報量はやや物足りないと感じる部分もあるが、輪郭強調などでシャープな画質にまとめており、それでいて強調感はあまり感じない。正直なところ、最初はかなり情報量も多い映像に見え驚かされたほどだ。
色再現はやや緑が強めとなっており、これも精細感の高さを演出していると感じる。ゴルフの中継などを見ると芝目の鮮やかさが鮮烈で、なかなかに見通しの良い映像となっていた。また、ハイライトの光も眩しいほどに再現され、輝きや艶の表現が巧みだ。
その分、暗部の階調はやや不足気味で最暗部は黒に引き込まれ気味となる。映画などの暗いシーンはやや重みのある映像に感じがちだが、明るいシーンの鮮明さはなかなか魅力的だ。
これらは、新機能の「微細化高画質技術」による効果も大きいだろう。これらはエッジ先鋭化や混色分離といった高画質化処理の総称で、長時間モードで発生しがちなノイズの低減なども行なう。最近各社が採用している「超解像技術」ではなく、従来からあるディテールエンハンス系の技術ではあるが、単なるシャープネス強調のような不自然さのない鮮明な映像が得られる。
続いて、最長10倍となった長時間モードの画質を見てみた。従来の8.5倍モードの時と同様の傾向で、静止した部分と動く部分の解像感の変化の差が大きく、動画部分の映像の破綻が気になる印象だったが、従来よりは映像のひどい破綻は抑えられているように感じた。
比較的相性の良い、ニュースのスタジオ収録部分の映像やアニメの動きの少ないシーンなどはなかなかの高解像度だが、動きはじめると輪郭などが乱れがちになり、解像感も下がってしまう。ゴルフや競馬といった動きの速い映像は、流れるように動く景色は完全にノイズまみれになってしまうのだが、画面の中心にいる選手や走る馬などは比較的解像感が保たれており、選手の表情などはなんとかわかる。
エンコーダーの進化などによる長時間化と映像の破綻が低減されているのはわかるのだが、トータルでの印象ではチラチラとしたノイズが多く、見づらい印象になってしまう。これは他社もほぼ同様なので仕方のない部分でもある。BD保存も含めて実用的と言えるのは5倍モードくらいまでだろう。
電源ケーブルの違いで画質/音質に差はあるのか!?
最後に、2種類が付属する電源コードの差を比べてみた。これはオーディオ用(あるいは医療用や工業用)の電源タップが必要になるが、ノイズなどの影響による画質・音質への影響を考えると、三極電源ケーブルの方が有利だ。事前の準備として、電源の極性をきちんと合わせるなどの準備も必要だが、すべての電源の極性をきちんと合わせるだけでも実際のところかなりの差が出る。この状態で、二極用と三極用の電源コードによる違いを比べてみた。
コードの線材などのグレードはどちらもほぼ同様でもあり、その差はわずかだが、特に音質で微小音がより明瞭になり、サラウンド音声の空間の広がり感がよりはっきりと感じられる効果があった。
ノイズに埋もれがちな音が聞こえるようになるほか、大音量で耳に付きやすい高域の歪み感などもやや抑えられるような感じる。もともとの音質は中音域主体の穏やかな傾向だが、物足りないと感じていた中~高域の情報量が増え、音の粒立ちも向上したと感じる。
画質に関してはほとんど差はなかったが、音質を重視する人ならばこの差は見逃せないものと言える。少々マニアックだが、この機会に自分のオーディオ/ビジュアルシステムの電源事情を見直してみるのもいいだろう。
余談だが、電源から回り込むノイズは、もともとある程度対策されたAV機器よりも、PCなどの情報機器、エアコンや照明などの家電が発生源となることが多いので、こちらの対策(同じ電源タップに接続しないようにするなど)も重要だ。
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