バーチャル時代のリアルの価値を考える
電子書籍のインパクトが語られるときに、しばしば(リアル)書店には未来がないという意見を耳にする。
筆者はこの意見には懐疑的だ。もちろん、前回の記事で文化通信の星野氏が「現在、日本には書店が約1万4000店ありますが、これは欧米と比べても数倍多い数字」と話していたように、日本の書店数は海外のそれに比べて異常に多い。この数を維持していくとは考えていない。
デジタルな消費と言える電子書籍とリアルな消費の場である書店はどのように共生していくことができるのか、今回は少し未来の書店の姿をイメージしてみよう。
その姿の本質に迫ることで、同じく電子化の波にさらされている、映像や音楽など、ほかのメディアでのサバイバル術も見えてくるはずだ。
なお、今回のイメージ制作にあたってはTwitter上で意見を募集した(関連サイト)。多くのアイディアを頂いたことを、この場を借りてお礼申し上げたい。
今回は“未来の書店像”をわかりやすくイメージしてもらうため、以前、筆者が連載していた「デジタルなオフィス!」のキャラクター達に久しぶりに登場してもらうことにした。
社長(クマさん)……取引先からもこう呼ばれる「ベアーズ企画」の経営者。親分タイプの45歳
山本くん……デジタルガジェットオタクの営業マン。一応社交型の25歳
HAL(はる)子さん……秘書兼経理でITにも強いらしい。本名は治(はる)子。理論型の27歳
春美さん……新入社員。IT関係は全く不慣れだけど一生懸命。支援型の22歳

この連載の記事
-
第96回
ビジネス
AIとWeb3が日本の音楽業界を次世代に進化させる -
第95回
ビジネス
なぜ日本の音楽業界は(海外のように)ストリーミングでV字回復しないのか? -
第94回
ビジネス
縦読みマンガにはノベルゲーム的な楽しさがある――ジャンプTOON 浅田統括編集長に聞いた -
第93回
ビジネス
縦読みマンガにジャンプが見いだした勝機――ジャンプTOON 浅田統括編集長が語る -
第92回
ビジネス
深刻なアニメの原画マン不足「100人に声をかけて1人確保がやっと」 -
第91回
ビジネス
アニメの放送延期が続出した原因は「海外依存8割の動仕」にあるが解決は困難 -
第90回
ビジネス
『水星の魔女』はイノベーションのジレンマに勝利したアニメだ -
第89回
ビジネス
『水星の魔女』はなぜエポックな作品なのか? -
第88回
ビジネス
日本のアニメ制作環境はすでに崩壊している――レジェンド丸山正雄が語る危機と可能性 -
第87回
ビジネス
融合に失敗すると「絵が溶ける」!? ベテラン作監が語る令和のアニメ制作事情 -
第86回
ビジネス
「『PLUTO』は手塚さんへの最後のご奉公」――彼の“クレイジーさ”が日本アニメを作った - この連載の一覧へ