新製品は「Bold 9650」と「Pearl 3G」の2モデル
Pearl 3Gには新しいスタイルの文字入力を搭載
BlackBerryのメーカーであるリサーチ・イン・モーション(Reserch In Motion 以下、RIM)は、アメリカ・オーランド(フロリダ)で、「WES 2010」(Wireless Enterprise Symposium)を4月27日から29日まで開催した。WESは、BlackBerryのユーザーやサードパーティが参加するイベントである。
開催前日の4月26日には、新端末として「BlackBerry Bold 9650」および「Pearl 3G 9100」が発表された。Bold 9650は、グローバル市場ではすでに2009年末にリリースされているBold 9700をベースに、CDMA2000に対応した機種。またCDMA2000だけでなく、GSMやW-CDMA(UMTS)にも対応しており、世界各国で利用できる。
Bold 9650は、Bold 9700同様に光学方式のトラックパッドを装備している。これは、光センサーを使って、トラックパッドをなぞる指先を検出して、トラックボール同様の使い勝手を実現するポインティングデバイスだ。初代Boldは、機械方式の小さなトラックボールを採用していたが、本体に対しての飛び出し部が大きくなってしまっていた。決して故障確率が高いわけではないが、強くぶつけた場合などに故障する可能性はあり得た。
もう1つの新製品、PearlシリーズはBoldなどに比べると液晶サイズは小さいものの、コンパクトなモノバー構造の端末だ。今回リリースされた「Pearl 3G」ことPearl 9100は、W-CDMAに対応している。3バンドのW-CDMAと4バンドのGSMに対応しており、無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)も装備している。
Pearl 3Gには、キーボードが2タイプあり、1つは一般的なテンキータイプ。もう1つはCondenced QWERTYとよばれるタイプ。こちらは1つのキーに2つの文字が割り当てられており、横5列×縦4段のキーがある。内部に単語辞書を持ち、押したキーから適切な単語を推測。1つのキーに割り当てられた2つの文字のどちらかを適切に切り替える(2度押しでもう1つの文字に変えることも可能)。
ユーザー入力を学習するほか、アドレスブックの名前や住所も自動学習に取り込む。辞書を参照する方式であるため、同時にスペルチェックも行なわれるというメリットがある。これをRIMでは、SureType技術と呼んでいる。
初日の基調講演では、RIM社共同CEOで社長のマイク・ラザリディス氏が登場。昨日発表したBold 9650やPearl 3Gを紹介したあと、新しいBlackBerryの新しいOSであるBlackBerry 6.0を発表した。
BlackBerry 6.0は、ユーザーインターフェースやデザインなどを一新し、今年の第3四半期に出荷予定だという。従来のBlackBerryと違い、画面をスライドさせての切り替え機能や、アルバムカバーを立体的に表示するなどの機能を備えているようだ。なお、展示会場にあったBold 9650などは、現行のVer 5.0を搭載していた。
このほか、社内の内線システムとの統合を可能にするBlackBerry Mobile Voice System(MVS)も、新バージョンとなるMVS5が発表されている。今回のバージョンからは、無線LAN経由での音声通話が可能になったほか、SIPを使った電話サーバーとも接続が可能になったという。
