BDモデルがないのは残念!
グラフィックス性能も物足りない面が
基本スペックを見ていこう。CPUは、今となっては世代遅れ感のあるCore 2 Duo P8700(2.53GHz)。モバイル向けのCPUを使っている。チップセットはIntel GM45 Expressと、こちらもモバイル向け。リビングに置くことを意識した一体型パソコンとして、省エネ・低発熱のプラットフォームを選択したのであろう。メモリーは標準で4GB(DDR3)を搭載しており、プレインストールのWindows 7 Home Premium 64bit版によって、メモリーを余すことなく利用できる。
搭載する液晶ディスプレーは、1920×1080ドット表示の21.5型ワイドサイズで、光沢タイプである。使ってみると、コントラストをやや押さえ気味にしたパネルと感じた。長時間の操作にも適した、目に優しい表示品質である。
なお、IdeaCentre A600には「30115CJ」と「30115FJ」の2モデルが用意され、HDD容量や内蔵無線LANの仕様、独立GPUの有無、Bluetooth機能の有無などが異なる。今回試用した上位モデルの30115FJでは、500GB HDDを内蔵し、802.11a/b/g/n対応の無線LAN機能を装備、GPUにはATI Mobility Radeon HD 4350を搭載している。
1世代前のローエンドGPUなので、それほど高性能ではないとはいえ、わざわざGPUを搭載していることから、画面描画に力を入れているのだと思える。だが、そうなると外部ディスプレー出力がないのは気になる。もちろん、本体搭載の液晶ディスプレーに表示すればよいのだが、GPUの能力を活かすためにも、大画面テレビにつなげるHDMI出力があってしかるべき、と思うのは贅沢だろうか?
もうひとつ気になるのが、光学ドライブの仕様だ。A600では、本体の右側下部にスロットインタイプのドライブが内蔵されている。本体背面にメディア挿入方向を示すイラストがわざわざ描かれていることでもわかるように、レーベル面を向こう側にして挿入するという変則的なものだ。最初は戸惑うものの、慣れてしまえば問題ない。
惜しむらくは、現行モデルはDVDスーパーマルチドライブ止まりという点だ。記録型BDドライブとまではいかなくても、せっかくのフルHD解像度の液晶ディスプレーである、映像コンテンツを楽しむために、最低でもBDコンボドライブが欲しかった。
ワイヤレスキーボードにはタッチパッドも装備
本体サイズは幅520×奥行き60×高さ463mm、重さは約12kgである。ほぼ同サイズの液晶テレビ(20ワイド型で約6.3kg)と比べると、2倍程度重い。台座部分に「安定性を高めるためにオモリでも入っているのか?」とも思えるが、特に持ち手などはないので、いったん据えてしまうと移動はなかなか大変だ。本体を動かしにい代わりというわけでもないのだろうが、キーボードとマウスはワイヤレス化されている。
付属キーボードはIdeaCentre A600用に新たに作られたもので、Enterキーの右側にPgUp/PgDnキーやEndキーが1列分並ぶ、やや変則的なキー配置をしている。さらに、右側にはタッチセンサー方式で機能スイッチが搭載され、ポインティングデバイスとしてタッチパッドもある。右端にマウスの右ボタンを付けるなど、なかなかユニークだ。
本体との通信は電波を使うもので、赤外線タイプとは違って、どのような向きで使っても確実に動作してくれる。ソファーにもたれたままの楽な姿勢で操作できるのは、気持ちのよいものだ。
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