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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第21回

ネットに「パーソナリティ」は必要か――聴き専ラジオの考え方

2010年04月24日 16時24分更新

文● 四本淑三

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B-SAKATUさんの選ぶセルフCD5枚+ニコ動2曲

STRAY LIGHT

STRAY LIGHT/wintermute

 初めて一つのジャンルに注目させてくれた人。Postscript(旧題:Warm Life)という曲を聴いたとき、そのギターの気持ちよすぎる音に魅了されて、何時間も聴いていました。そんな気持ちいいシューゲイザー系のギター曲であふれるアルバムです。ギターの音に浸れます。


WATERISE:

WATERISE:/ナタP

 本人の同人サークル名「NATARIE IN THE DREAM」の名前の通り、夢の中を旅するようなアルバムです。特に「フエト」の浮遊感は、レンの低音とリンの高音がうまく混ざり合って、気持ちよすぎて、すばらしいです。作者のナタPは、ニコ動ではいわゆる「低音レン」というジャンルの代表格の一人です。


漣 盤上の風:

漣 盤上の風/秦野P

 この人の曲は紹介するのになぜか苦労します(笑)。重厚な雰囲気と幻想的な雰囲気が同居している、気がします。特に好きなのは「目の無い私」ですね。この曲の深く重い雰囲気がたまりません。最後の鏡音レンくんの「ハト」を聴くと嫌々歌っている姿が毎度毎度目に浮かんでしまってニヤニヤしてしまうのはご愛敬。


LOiD's TECNiCA:

LOiD's TECNiCA、LOiD's MiND/V.A.

 曲の波形に遊び心があったり、UTAUがあったり、レーベル側の人間が参加していたり、そういう事情を含め、とても楽しくきもちいいアルバムです。ボカロやニコ動で有名になった作者が、そういうものに囚われてず作品を収録しているというのが素敵です。レーベルが出来たての頃は生ぬるい目で様子を窺ってましたが、今ではLOiDが大好きです。


Sounds of Twisted Eight Ducks:

Sounds of Twisted Eight Ducks/捻れたアヒル

 捻れたアヒルの処女作。「大好きなアングラ系のボカロPがコンピ!」と聞いてすごい喜んだのをおぼえています。特に好きなのは、ふみPの「一輪の花」。ふみPはニコ動から完全撤退してしまったので、原曲がこれでしか聴くことができないのです。それゆえ、思い入れが深い一曲。そういえばなぜか2枚持ってます。


Gravity Girl/DS-8



 最も好きなボカロ曲。元気がないとき、何度も自分を元気づけてくれた曲です。7分もある曲なのに、なぜか何度聴いてもあっという間。Twitterで「いつか作者にお礼を言いたい」と書いたら本人に見られてしまったのはいい思い出です(笑)。


遠いいざなみ/クラフトP



 膝を抱えて泣きたくなる曲。初見はボーッと聴いてたのに、途中の激しいギターに圧倒され、曲の世界に引き込まれてしまいました。7分越えの曲なのに、これも時間を感じさせない。このレビュー書きながら聴いてるだけでうるっときます……。ちなみに、ぼくのアイコンを描いてくれた裏花火さんが詞と絵で参加してます。


著者紹介――四本淑三

 1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。

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