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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2010 第5回

知ったかできるパーツ基礎知識【お買い物実践編】

2010年04月23日 13時30分更新

文● G&D Matrix

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まとめて買うからさ、安くならない?

 これは、新宿や池袋などならいざ知らず、アキバのパーツショップではNGワードだ。最近あまり見かける機会は少なくなったものの、取材中、特に週末になるとたまに見かけることがある。「何万も買い物してるんだから、少しくらいいいじゃないか」という気持ちも分からないでもないが、先にも言ったようにアキバは同じ製品を狭い地域で多数のショップが売っているという特殊な街だ。いわゆるカメラ系量販店とは違う。

アキバの価格競争は日本一、いや世界一といっても過言ではない。各ショップともギリギリの価格を掲載しているのだ。場合にもよるが、何万円もするCPUやHDDを売るより、ケーブル1本を売ったほうが利益が高いという笑えない話もあるが、アキバでは常識である

 まさに各ショップ同士の価格競争は“激烈”の一言。結果的にお客目線で眺めていると、どこも似たような価格帯で落ち着いているように見えるが、それがそのまま採算ラインギリギリと考えてほぼ間違いない。中には10円単位でそれ以上下げたら赤字、もしくは仕方なく赤字覚悟で他のショップの価格に合わせて販売しているような製品も多い。なぜこの価格で販売されているのかを良く考えてお会計に臨んでほしい。


初心者を自覚し、いきなり無茶なことをしない

 実際、パーツショップに一歩入ると「オーバークロックに最適!」「リファレンスクーラーより○度も良く冷えます!」などと製品パッケージやショップのポップを目にする機会が多いだろう。
 例えばマザーボード。オーバークロック動作(以下:OC)するための多彩な機能等を派手な売り文句としている製品をよく見かける。「お~!なんだコレ。このボタン押すだけでOC動作してくれるのか。なんだか便利だな」と言いつつ、仮にOC動作させて壊してしまった場合、メーカーや販売ショップはなんの保証もしてはくれない。修理すればと考えるかもしれないが、メーカーへの修理依頼は非常にコストがかかる(往復の航空運賃や手数料、修理代など)うえ長い期間待たされるのが普通だ。よって、泣く泣く新しいマザーを買うはめになる。

システム電圧や動作周波数を変更できるオーバークロック用のダイヤルやボタン。非常に便利だが、過度なOCは製品を破壊する可能性もある

 もうひとつ、例えばCPUクーラー。「お? 形もカッコいいし良く冷えそうだなぁ」と買って取り付けた。それからというもの、電源を入れるとしばらくして電源が落ちる症状が……。

「このマザー壊れたみたいなので修理、もしくは交換してください」

とショップに持ち込むと、

「お客さん。コレ社外品のクーラー使いましたよね? ほら、ここんとこキズ付いてるでしょ。CPU付属のクーラー以外を使用して壊れた場合は有償での修理ですよ」

なんてことに。

 上記の例以外にも、付属のシリコングリスではなく、別売りの銀(シルバー)グリスを使ったり、ビデオカードのクーラーを交換したり。普段から自作を楽しむユーザーの皆さんには今さら言うまでもないが、マザーのOC動作もCPUクーラーの交換も「自己責任の範疇」なのである。「なんだよ、あれだけOCで速くなるとか、良く冷えるとか書いてあるじゃんかよ! アスキー!」といっても残念ながらショップでは通用しないのである。もちろんビデオカードに付属するOC用ツールや、定格クロック以外での動作を謳うメモリなども「全て自己責任において」というルールがあるのを忘れてはいけない。


まずはひら組みをして動作確認をする

 初心者が意外にやってしまいがちなのが、いきなりケースに組み付けるという行為。ハッキリ言って、アキバのベテラン店員でも自分でPCを組む際はあまりしないのではないか。まずはマザーの空き箱の上、電話帳の上でもいいので、最低限動作するパーツをマザーボードに取り付け、BIOSが起動するまでは確認したい。

ケースに組み込んでから、電源が入らないなどのトラブルに気が付いても遅い。そうならないためにも、仮組みして動作確認をしてからケースに組み込みたい

 PCケースにマザーをしっかり装着、CPUクーラーやビデオカードもがっちり固定。ケーブル配線もきれいに出来たぞ、と意気揚々と電源ボタンを押したら起動しないなんてことになったら、全て一からやり直しである。仮に初期不良の製品があった場合でも、ひら組みの状態であれば比較的楽に原因がわかる可能性が高い。ケースに組み込むのは一番最後の仕上げの作業と考えよう。

(次ページへ続く)

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