このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

週刊 PC&周辺機器レビュー 第51回

個人/法人どちらのニーズにも合うノート Vostro 3300 (2/2)

2010年04月23日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 インターフェース類としては、USBを2つと、USB/eSATAのコンボ端子をひとつ備える。eSATAは対応外付けHDDとの高速なデータ転送が可能なので、バックアップ作業が楽になる。そのほかは、Gigabit Ethernet対応の有線LAN、5-in-1カードリーダー、ExpressCard/34、音声入出力端子を搭載する。映像出力はアナログRGB出力のみ。HDMIかDisplayPortが欲しいところだ。

本体前面

本体前面には音声入出力とメモリーカードリーダー、無線LANスイッチを搭載する。無線LANスイッチは安価な樹脂製だが、大きく操作しやすい

本体左側面

本体左側面。電源コネクター、USB、有線LAN、光学ドライブ、ExpressCard/34スロットを備える

本体右側面

本体右側面。USBとUSB/eSATA端子、アナログRGB出力を搭載

 光学ドライブは8倍速のDVD±R/RWドライブを搭載。HDDは7200回転のSATAドライブで、最大500GBまで選択できる。HDDが落下センサーにより衝撃から保護されているのは安心だ。

左側面に内蔵する光学ドライブ

左側面に内蔵する光学ドライブは一般的なトレイ式

標準バッテリーは4セル

標準バッテリーは4セルを採用する。評価機に付属のACアダプターのサイズは145×68×16mmで、出力は90W。バッテリーは8セルタイプ、ACアダプターは65Wタイプ(CPU内蔵グラフィックス使用時のみ選択可)も用意されている


CPU、ストレージ、グラフィックともに高性能で不足なし

 試用した機種のCPUは、Core i5-520M(2.40GHz)を搭載しており、メモリーは4GB。グラフィックス機能にはNVIDIAのGeForce 310M(ビデオメモリー512MB)をチョイスしたハイスペックモデルだ。想像どおり、ベンチマークの結果は良好だった。特にHDDが高回転タイプで、連続読み出し速度が96MB/秒を超えている。OSはWindows 7 Professionalだが、軽々と操作できた。

 ベンチマークを走らせると、すぐに冷却ファンが回り出す。うるさいというほどでもないが、やや耳につくのが気になった。その分長時間利用しても、本体はそれほど熱くならない。バッテリー駆動時間はカタログ値で3時間27分(CPU内蔵グラフィックス使用モデルの場合)。ベンチマークソフト「BBench」(海人氏作)で実測した結果は、約2.3時間となった。本格的なモバイルユースには物足りず、そうした使い方には8セルバッテリーが必須だろう。

CrystalMark2004R3でのスコア

総合ベンチマークツール「CrystalMark2004R3」でのスコア

CrystalDiskMarkのスコア

ストレージベンチマークツール「CrystalDiskMark」のスコア

CINEBENCH 11.5のスコア

「CINEBENCH 11.5」のスコア(赤枠部)。CPUのスコアが2.03ポイント


7万円以下の最低構成価格から買える高いコストパフォーマンス

 試用したモデルの構成では、価格は11万2665円となる(本稿執筆時点)。それなりの値段だが、ボディーの完成度や性能から考えれば、コストパフォーマンスは高い。予算に余裕があるなら、文句なしにフルスペックモデルを選びたい。一方で、最低構成は6万7980円と格安だ。しかしOSはWindows 7 Home Premiumになり、メモリー2GB、HDD 250GB、無線LANは802.11gと、ビジネスマシンとしては少々物足りない。

 ニーズに合わせて強化したいものの、デルには珍しくBTOの構成に自由度が少ないのが残念だ。例えば、CPUで最上位のCore i5-520Mを選ばないと、そのほかのオプションに制限がかかる場合が多い。下位のCPUを選ぶと、4GBメモリーや、GeForce 310Mを選択できないのだ。性能差はあまり体感できないものの、これらが欲しければCore i5-520Mにするしかない。また、スペック表では最大500GBのHDDが用意されているようだが、現時点では選択肢は250GBか320GBのみだ。

 ビジネスでばりばり使うなら、OSはWindows 7 Professionalを選びたい。Home Premiumはマイナス5040円なので、特に重要でない軽作業に使うならエディションを下げてもいいだろう。

 また、CPU内蔵グラフィックス機能でよいなら、ハイスペックモバイルパッケージのコストパフォーマンスが高い。CPUはCore i5-430Mでメモリーが3GB、802.11nの無線LAN、OSはWindows 7 Professionalという構成で価格は8万4980円。1年間の引き取り修理サービスが付いており、安心してビジネスで使える。製品保証期間内なら、24時間365日テクニカルサポートを受けられるのもメリットだ。

 手ごろな価格でしっかりした性能が手に入るVostro 3300は、SMBだけでなく個人でも欲しくなる製品だ。無骨なビジネスノートに飽きているなら、一押しのモバイルノートといえる。

Vostro 3300(試用機) の主な仕様
CPU Core i5-520M(2.40GHz)
メモリー 4GB
グラフィックス GeForce 310M
ディスプレー 13.3型ワイド 1366×768ドット
ストレージ HDD 500GB
光学ドライブ DVD±R/RWドライブ
無線通信機能 IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 2.1
インターフェース USB 2.0×3(うち1はeSATA兼用)、アナログRGB出力、10/100/1000BASE-T LANなど
サイズ 幅325×奥行き229×高さ20.1~28.6mm
質量 約1.94kg
バッテリー駆動時間 約3時間27分
OS Windows 7 Professional 32bit
価格 11万2665円(本稿執筆時点)

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)。




デル株式会社

デル株式会社

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

この連載の記事
ASCII.jpおすすめパック
製品ラインナップ
インテルバナー