「蝉丸P」といえば、ネットで有名なお坊さんだ。
「リア住」(リアルな住職)や「僧職系男子」といったキャッチフレーズでも呼ばれる人物で、動画コミュニティーサイト「ニコニコ動画」では、仏具を使って音楽を演奏するという動画で知られている。今年1月には、ニコニコ大会議ツアーにも参加し、笑いを交えながら相手を敬愛することの大切さを説いて、お客さんの大喝采を浴びていた。
単に型破りだけでなく、人の心に響く知識が裏に控えているからこそ、蝉丸Pというキャラクターは多くの人を引きつけるのだろう。ちなみにASCII.jpでも過去にインタビューしたことがある。
17日、その蝉丸Pが参加するニコ動関連のイベント「動画供養」が都内で開かれた。個人的に蝉丸Pのファンとしてはぜひ行かざるを得ない!! ということで現場を取材してみたぞ!
これは「絶対にニコニコしてはいけない供養」だ!
動画供養と聞くと、その名前から消された動画を弔う内容が連想されるが、このイベントの主旨はそうではない。
ニコニコ動画には、一般ユーザーの手によって膨大な動画が投稿されている。プロに匹敵する音楽や動画のセンスを持ち合わせた作品も数多くあり、中には何十万回と再生されて商業CDとして発売──という例もある。
しかし、一部の作品が輝く一方で、大半は再生数が1000回も行かずに、日の目を見ずに埋もれていっているというのが実際のところだろう。
そんな動画に思いを馳せるイベントが、この動画供養だ。演歌界で大御所・船村徹氏が毎年開いている「歌供養」というイベントに倣ったもので、今回が第1回となる。蝉丸Pは導師として招かれており、この様子はニコニコ生放送でも中継された。
前知識はこのくらいにして、実際、ホイホイ会場に行ってみると、あまりの本格ぶりに驚いた。
正面に献花台が並び、集まった人々の服装もすべて喪服で統一されている。しかも参加者を見れば、ドワンゴ社員やユーザーに並んで、演歌歌手の鳥羽一郎氏らが出席している! 普段のニコニコ動画とはがらっと180度変わった、「ニコニコできない」雰囲気がびんびん伝わってくるのだ。筆者が「喪服で取材に来てください」と告げられたのはそういう理由だったのか!
しかし、供養が始まるとその雰囲気に変化が訪れる。会場正面の液晶テレビには、日の目を見なかった動画が映し出されるのだが、これがまた半裸で踊ったり、二次創作イラストが映ったりと「フリーダム」な動画も多かった。
そして蝉丸Pが動画のIDを読み上げて供養し、参列者が一人一人前に出てきて献花する。その荘厳な空気と動画のギャップがシュールで、自然と笑いが誘われてしまうが、会が会ということで筆者も含めて全員が我慢するハメに……。こ、これはひょっとして「ガ○使」の「絶対に笑ってはいけない」シリーズじゃないか!?
動画供養ダイジェスト
※次ページは蝉丸Pの法話を掲載!
