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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2010第4回

知ったかできるパーツ基礎知識【ケース、電源、クーラー編】

2010年04月22日 12時00分更新

文● G&D Matrix

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イマドキの電源ユニット事情を知っておこう

 ここまでPCケース選びのポイントをご説明してきたが、その多くは(ほとんどと言ってもいい)電源ユニットが別売り扱い(非搭載)となっている。自作が始まった頃は、電源ユニット単体での選択肢が無く、どのPCケースにも標準で搭載されていたが、今振り返るとどれも粗悪な製品が多く、PCケースメーカーからすれば単に“オマケ”程度の扱いになっていた節がある。自作が普及するにつれ、ユーザーの目が厳しくなり、さらに構成パーツの多様化により、どんな構成にも対応するという許容範囲が拡がり過ぎてしまったことで、いつしかPCケースと電源ユニットはそれぞれ独立することになり、現在の販売形態に落ち着いている。

ショップの電源コーナー。以前はケースとセットで販売されていることが多かった電源ユニットが、現在はそれぞれ独立し別の棚で販売されている

 ご存じのように、自作パーツショップへ行くと、たくさんの電源ユニットが陳列されており、さてどれを選べば良いのだろうか?と悩むことも多いだろう。ここではイマドキの電源ユニット事情を交え、選び方のポイントをご紹介したいと思う。なお電源ユニットの構造等については、昨年の「アキ恥」(関連記事)で詳しく紹介しているのでそちらを参照してもらうこととして、ここでは電源ユニットの“今”をお伝えしよう。

80PLUS GOLD認証電源の登場

 最近の電源ユニットの多くに「80PLUS認証」が謳われている。これをおさらいしておくと、「80PLUSプログラム」(http://www.80plus.org)が提唱する省電力化プログラムで、各電源ユニットベンダーがモデル毎にこの認証を取得することで、ユーザーは製品を選ぶ際にひとつの目安にできる。
 なお「80PLUS」には下から「80PLUS」、「80PLUS BRONZE」、「80PLUS SILVER」、「80PLUS GOLD」の4つのランクに区分けされており、コンシューマ向け電源ユニットの最高ランク「80PLUS GOLD」に至っては、負荷50%時で90%の変換効率をクリアしなければならない。

変換効率と80PLUS認証ランクの関係
 負荷20%の時負荷50%の時負荷100%の時
80PLUS(スタンダード)変換効率80%変換効率80%変換効率80%
80PLUS BRONZE変換効率82%変換効率85%変換効率82%
80PLUS SILVER変換効率85%変換効率88%変換効率85%
80PLUS GOLD変換効率87%変換効率90%変換効率87%

 変換効率が高いことのメリットは、電源ユニットの電力ロスが少なくなることで無駄な電力が減り、電気代を抑えることができる。さらに熱に代わる電力ロスが少なくなれば電源ユニット内の温度が下がり、長時間高温状態にさらされることが苦手な構成部品の長寿命化に貢献するだけでなく、温度可変ファンがむやみに高回転にならず、静音化も図れてしまう。“地球に優しい”という言葉があるが、「80PLUSプログラム」はこれに大きく関係しており、PCパーツで良く目にする「RoHS準拠」(特定有害物質の使用制限)も含め、自作が始まった頃に比べてやみくもにテクノロジーが進化している訳ではないことも認識しておきたい。

出力500Wの電源を、ファンを停止させた状態で10分間通電した時の内部温度の違い。写真左が「80PLUS」認証を取得した電源、写真右が非認証の電源。非認証電源はかなり白くなり熱いことが分かる

 「80PLUSプログラム」に関して話を戻すと、メーカーはより上の効率認証を取得するために構成パーツの品質にも配慮しなければならず、その分価格が上昇するのは致し方ないこと。予算と構成パーツを考慮し、それに見合った落としどころを見つけたい。
 余談となるが、「80PLUS」認証を取得するにはメーカーもかなりのコストが要求されることになる。国内市場には流通していないヨーロッパのとあるメーカーの電源ユニットは、自社内の検査上、80PLUS認証はクリアしているものの「認証検査コストを抑えるため認証は受けておらず、その分をユーザーに販売価格で還元する」とわざわざ謳い文句にしている。是非を問う場ではないので紹介のみとするが、このことから「80PLUS非認証電源ユニット」であっても、イコール(=)粗悪ではないことも覚えておきたい。

「80PLUS SILVER」で設計しつつも「80PLUS GOLD」を取得できてしまったCorsairの「CMPSU-850HXJP」。しかしメーカーは「SILVER」取得を目指して設計したという理由から、「GOLD」ではなく「SILVER」認証電源として製品をリリースした

ケーブルはプラグインタイプで行こう

 次にケーブルについても知っておこう。現在発売されている電源ユニットの多くは、ケーブルが着脱できる“プラグインタイプ”(モジュラーケーブルタイプとも言う)が採用されている。発売当初はこれによるノイズ問題などのマイナス点を懸念する声があった。某メーカーは当初「うちはプラグインタイプの電源ユニットは絶対に作らない」と公言しつつ、今ではラインナップの殆どに着脱式が採用されている。笑い話ではあるが、市場の需要には逆らえなかった結果と言えるだろう。つまりプラグインタイプは、ユーザーには大いに受け入れられているという証でもある。

プラグインタイプの電源ユニット。必要に応じてケーブルを着脱できるので、取り回しが容易なうえ、エアフローも確保できる

 プラグインタイプとは、必要なデバイスケーブルのみを電源ユニットに接続するもので、不要なケーブルを排除することでケース内のケーブルマネジメント(取り回し)が容易にでき、余計なスペースが占有されないことで、スムーズなエアフローが確保できる。ただし注意が必要なのは、ケーブル本数が少なくなったとしても、中には接続したケーブルが非常に硬い製品(電磁波対策のメッシュケーブル等)があり、ケース内配線に苦労することがある。せっかく選んだプラグインタイプでも本末転倒、メリットが半減してしまう。その点にはメーカーも気が付いているようで、コンパクトケースなどにも対応するフラットケーブルを採用されるようになっている。
 こればかりは製品画像だけでは判断がしにくいため、ぜひ店頭のサンプルを手に取り、電源のスペック表ばかりに注目せず、ケーブルの硬さもチェックしてほしい。

硬質なプラグインタイプのケーブルはケース内配線に苦労するため、改良の余地があるとメーカーも認識している。写真のケーブルは束ねられているタイプではなく、フラットな形状のもの。今後各メーカーもこのように改良されて行く方向にあるのかもしれない

(次ページへ続く)

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