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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2010 第4回

知ったかできるパーツ基礎知識【ケース、電源、クーラー編】

2010年04月22日 12時00分更新

文● G&D Matrix

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空気の流れを考える

 構成部品の発熱を考慮してケースの大きさを考えた後は、(4)「エアフローの善し悪しから選定する」を見て行こう。
 これは若干(2)と(3)の補足となるが、広いリビングに居たとしてもせめて扇風機くらいは用意しなければと思うだろう。人間ならば冷房となるところだが、PCケースの場合はケースファン(=扇風機)に置き換えられる。

ケースファンといえども、80mm、92mm、120mmなど、さまざまなサイズが存在する。そのうえ冷却重視や静音重視といった用途によっても、使用するファンは変わってくる

 自作ブームが始まった頃のPCケース内蔵ファンサイズと言えば、80mm口径が主流だった。しかしその頃と比べモノにならないくらいの高スペック=高発熱体になったPCの構成部品にとって、当時のエアフロー能力では心許ない。そこでケースのデザインやレイアウトなどに改良が重ねられ、背面に120mmファン搭載スペースが確保されるようになる。
 さらにハードディスクのGB単価が下がり、通信速度の向上により動画等の大容量データや音楽ファイルをたくさん詰め込む用途が増したことで、複数台のハードディスクを搭載するユーザーが多数を占めるようになった。重要なデータを格納するハードディスクの冷却にも十分な配慮が必要となってきたわけだ。そこでそれに対応するかのようにフロント吸気ファンも大口径化がなされ、ほとんどのPCケースでは120mm口径以上の冷却ファンが装着されるようになった。

フロント吸気ファンも大口径化がなされ、ほとんどのPCケースでは120mm口径以上の冷却ファンが装着されるようになった

 前後120mm口径クラスのファンが搭載されたことで、ストレートなエアフロー環境は整うことになるが、さらにグラフィックスカードを複数枚搭載させるマルチグラフィックス環境を構築するならば、サイドパネル部に冷却ファンがある方が有利であり、さらに昨今の主流となっている電源ユニットボトムレイアウト(底面設置)によるトップ面排気ファンが標準で装備される等、あらゆる方向からフレッシュな空気を採り入れ、強制的に大口径ファンで排出させることが可能となった。

天面排気が最近のトレンド。ここにきてファンも200m超えの大型タイプが増えてきた

サイドパネルに搭載されたファン。なかには写真のように360mmの超大型ファンなんてものも!

 PCの構成部品にとって、冷えすぎて困ることは無く、できる限りハイスペックなPCを構築させたければ、大口径ファンが複数台搭載できるモデルをやはり選ぶべきだろう。ただし、エアフローをより多く確保することで「静音化」が難しいのではないか?と思われるかもしれない。しかし、現在流通しているファンの多くはデフォルトで静音モデルが搭載されており、昔に比べればそれほど心配する必要は無いだろう。もしどうしても気になるようであれば、市販の汎用ケースファンを別途交換しても良い。徐々に自分好みのPCに作り上げて行く行程こそ、自作PCの醍醐味と言えるわけで、これを今後の楽しみとして残しておくのも悪くない。

高エアフローを謳うゲーマー向けPCケースのCoolerMaster「HAF 922」。巨大なトップ部排気200mmファンにより、ケース内部の熱を強制的に外部へ排出してしまおうというコンセプト。ただし筆者のようにずぼらなタイプとしては、ケースの上に物が置けないのが残念でならない

(次ページへ続く)

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