質感の高さと解像力が凄い! Foveon X3の威力
シグマのDPシリーズの最大の特徴と言えるのが撮像素子「Foveon X3」ダイレクトセンサーだ。サイズは20.7×13.8mmと大きく、APS-Cサイズに近いサイズだ。一般的なデジイチに採用されるAPS-Cサイズではレンズの焦点距離が35mm判換算で約1.5倍もしくは1.6倍で計算されるが、Foveonの場合には約1.7倍で計算される。
ピクセル数は2652×1768で約460万画素だが、光の三原則であるR(赤)G(緑)B(青)に対応した3層構造になっており、有効画素数は約1400万画素になる。一般的なCCDやCMOSセンサーと違い、1ピクセルで3つの色情報を得ることができ、原理的に偽色が発生しない。また、ローパスフィルターが不要になり、高画質な画像を記録することができる。なお、実際にカメラで設定できる最大記録解像度は2640×1760ピクセルの約460万画素だ。
撮った画像を現像しながら確認すると、やはりFoveon X3の凄さに改めて驚く。シーンによって差はあるが、他のデジカメでは得られない質感の高さと解像力だ。
高性能な商業用ドラムスキャナで大判ポジをスキャンしたかのような質感はFoveon X3ならではだろう。確かにノイズは多く、JPEG記録時の解像力の低さやオートホワイトバランスの精度などカメラとしての基本機能は気になる部分は多々あるが、写りのよさは天下一品だ。
レンズは41mm相当、F2.8、最短撮影距離は28mmとなる。スナップ撮影をしているとレンズの焦点距離は丁度見た目の画角に近い感じだが、もう少し寄りたいと思う場面が多々あった。
レンズの解像力
絞りでの解像力の変化は少なめ、開放からかなりシャープだ。F5.6あたりで一番シャープネスが高くなる。F11より絞ると回折現象でシャープネスが低下し始める。あまり絞らないで使うのがいいだろう。41mm相当の標準レンズとしては歪曲収差はちょっと気になった。