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AR~拡張現実~人間の“現実感”を高めるテクノロジー 第4回

経済産業省によるAR -e空間-

2010年04月16日 18時00分更新

文● 丸子かおり

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放送番組との連動を狙ったブラタモリ提供ブラアプリ

 博報堂DYメディアパートナーズが提案したe空間とは、ブラタモリ提供ブラアプリと「さっぽろ雪まつりなう」など放送コンテンツに位置情報を追加したサービスだ。放送と放送された位置を紐づけることによって、観光促進や放送コンテンツの付加価値を高められるメリットが現れてくるということでe空間実証事業のモデルサービスに選ばれた。

 たとえばブラタモリ提供ブラアプリでは、アプリを開いて放送された場所を選ぶと放送中に出てきたエピソードがあるポイントが表示される。ポイントを決めるとポイントに対応した動画が再生できるので、動画を見てから出発。出かける際には、GPSによるコンパス画面が出てくるので、オリエンテーリング気分でポイントへ歩いていく楽しみが味わえる。そして、ポイントに到着すると「ココカメラ」という機能が使えるようになる。ココカメラは位置連動したカメラで、到着ポイントで写真を撮ると場所と連動したデコフレームつきの写真を作成してくれるのだ。

ブラタモリ提供ブラアプリの画面。街とポイントを選択すると動画が見られるようになっている。(提供:博報堂DYメディアパートナーズ)

 この動画と位置情報をマッチングさせ、ユーザーが番組の世界に参加できる試みはブラタモリで話題になったが、またもうひとつ、さっぽろ雪まつりで公開されたさっぽろ雪まつりなうがある。こちらは北海道放送と博報堂DYメディアパートナーズが組んで、札幌のグルメ・観光ポイントの100の情報を動画付きでユーザーに提供するというもの。どちらもテレビ番組を媒介に観光地とユーザーを結びつけるサービスだ。

さっぽろ雪まつりなうの目的地選択画面。行きたいエリアを選択すると、オススメポイントの紹介動画が観られるようになっている (提供:博報堂DYメディアパートナーズ)

ポイントまで行くとき、画面はGPSに連動して、コンパスになる。これをたどって番組でも紹介された目的地に行くことができるわけだ (提供:博報堂DYメディアパートナーズ)

 ブラタモリ提供ブラアプリもさっぽろ雪まつりなうも、番組の映像を二次利用したことで、ユーザー、もしくは観光客にスポット情報を知らせて、GPSコンパスで道案内して番組を体感させるあたり、ゲーム的要素を持つARアプリといったおもむきだ。今後、自治体や商店街、観光産業にニーズが出てくるアプリになるのではないだろうか。

(次ページへ続く)

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