NVIDIAチップセットの歴史 その2
インテル向けやGPU内蔵に進出したNVIDIAチップセット
2010年04月12日 12時00分更新
GPU統合型のGeForce 6100は
AMD向けに投入開始
話をAMD側に戻そう。nForce4をベースに2005年9月に発表されたのが、K8(Athlon 64)用に同社初の統合チップセットとして開発された「GeForce 6100/6150」と「nForce410/430」である。型番からわかるように、これはnForce4にNV44コア(GeForce 6200 TC)のサブセット版を組み合わせたものとなる。
GeForce 6200 TCはピクセルパイプラインが4つで、動作周波数は350MHzほどだったが、GeForce 6100/6150はパイプラインが2に減らされ、そのかわり動作周波数は425MHz(6100)/475MHz(6150)へと高められている。とはいえ、この程度の周波数向上ではパイプライン半減の埋め合わせには遠く、結果的にはGeForce 6200 TCに及ばない程度の描画性能しかない。競合製品はATIのRADEON Xpress 200だったが、こちらはこちらで内蔵するGPUがRADEON X300だったから、手頃なスペックとは言えよう。
この初代のGeForce 6100シリーズをワンチップ化するのはさすがに無理で、ノースブリッジが「Crush51G」、サウスブリッジは「MCP51」に分離されていた。しかし、後継製品として2006年8月に登場した「GeForce 6150SE/LE」で、ついにワンチップ化された。「MCP61」というコード名を持つこの製品、チップ自身も構成も変わったのだから商品名も変えればいいのに、なんと引き続き「GeForce 6150SE+nForce430」と、あたかも2チップ構成のような名前としたために、著しくわかりにくくなった。
公式には、以下の4製品がこのシリーズにラインナップされているが、これ以外に「GeForce 6100+nForce400」という製品も、未発表のままリリースされていることがわかっている。
- GeForce 6150LE+nForce430
- GeForce 6150SE+nForce430
- GeForce 6100+nForce430
- GeForce 6100+nForce405
これらの違いを簡単にまとめると、「GeForce 6150LE+nForce430」がハイエンドモデルであるが、ワンチップ化のためかGPUの動作周波数が425MHzに落とされている。ここから動画エンコーダー機能やDVI出力の機能を一部制限し、SATAを2ポートに減らしたのが「GeForce 6150SE+nForce430」。6150SE同様にエンコーダーやDVI出力を変更しつつ、サウスブリッジ機能は変えていないのが「GeForce 6100+nForce430」。
そこから外部GPU用のPCIeレーンをx8に削減し、さらにサウスブリッジ機能をダウングレードしたのが「GeForce 6100+nForce405」、さらに外部GPU用PCIeレーンを完全に廃したのが「GeForce 6100+nForce400」ということになる。同じチップセットの仕様を変えてラインナップを増やすのはごく普通であるが、混乱を招きそうな商品名をわざと付けるのは、NVIDIAの御家芸かもしれない。
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