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AR~拡張現実~人間の“現実感”を高めるテクノロジー 第3回

変化を続け、成長するモバイルAR

2010年04月14日 18時00分更新

文● 丸子かおり ●撮影/笹川達弥、小林伸

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旅行・観光で便利そうが原点のARアプリ

 フューチャースコープでは現在、Android携帯によるARアプリ「TravelCamerAR」のβ版を発表してる。会社にうかがうと早速、TravelCamerARを実演してくれた。これは簡単に説明すると、Googleマップを使ったスポットの情報の登録やルート検索機能を持ったARアプリだ。どのあたりにAR機能が使われているかというと、Googleマップのデータに実際の写真が組み合わさっているところだ。

 このアプリでは「マップモード」と「カメラモード」があり、マップモードでGPS機能を使って、現在地の周辺の地図データを取り、カメラモードではカメラの映像にマップモードのアイコンと場所、距離が表示され、直感的に行きたい方向が見られるようになっている。また、画面右上にあるカメラアイコンをタップすることで任意の位置情報を付加した写真撮影ができ、位置情報は画面上において水色のアイコンとして表示される。

左がマップモードで右がカメラモード。カメラモードでは、アイコンのある場所の距離まで表示される(提供:フューチャースコープ)

 Googleマップのデータ上のアイコンが、現実の世界にカメラを通して浮かび上がる。一見、シンプルなシステムだが、シンプルだからこそ様々な使い方ができる。そしてまた、何といってもAndroid携帯で作ったアプリというのが驚きだ。このTravelCamerARはAndroid携帯の初のARアプリといえるだろう。はたして、どんなきっかけで作られたのだろうか。

写真は左からフューチャースコープのシステム企画部の平塚和広さん、同じくシステム企画部の堀川洋二さん

そして同社のブランド戦略部の土田晃之さんだ

 実際に現場で開発に関わった堀川さんいわく、「自分がもともとJava言語に強いため、Javaで動くAndroid携帯を作ってみようと思ったのが発端のひとつ」だったそうだ。加えて、堀川さんはツーリングが好きで「あらかじめスポットを登録しておいて、現地に行っても思い出として残せる携帯ツールがあったらいいなあと思った」という。

 それで堀川さんはこの考えを元に企画をあげ、フューチャースコープで半年に1回行なわれる「ビジネスプランコンテスト」に出したところ、そこで多くの共感を得て、制作にゴーサインが出たのだそうだ。また、平塚さんは、「母数的にはiPhoneだが、開発スピードを重視するなら開発者の堀川が使い慣れているJavaを使用しているAndroid携帯で」と考えたそうだ。

(次ページへ続く)

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