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美人すぎる!

女流写真家が語る「情景探し」の極意──米 美知子

2010年04月10日 12時00分更新

文● アスキー書籍編集部

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 3月23日に、アスキー・メディアワークスからアスキーフォトレシピシリーズの第三弾「米 美知子の自然風景撮影術 情景探し」が発売された。本書は、自然風景写真家・米 美知子氏の撮影ノウハウやポイントなどをデジタルカメラで撮影した作品とともに紹介したもの。これまでハウツー本の執筆オファーを断り続けてきた同氏が、自身の撮影術を初めて一冊の本にまとめた点も注目だ。

3月23日に発売された『米 美知子の自然風景撮影術 情景探し』。米氏独自の撮影ノウハウが100点以上の美しい作品とともにたっぷり紹介されている。本書を読めば、従来の風景写真とはひと味もふた味も違う、情景写真の撮り方の秘訣がわかる!

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 米氏の作品は、カメラ雑誌などに毎月掲載されているが、キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS 5D Mark II」の製品カタログに掲載されていると言えばピンと来る方も多いはず。同氏は2004年に「第12回前田真三賞」を女性として初めて受賞し、精力的に日本の自然美を撮り続けるかたわら、セミナーや写真教室の講師としても活躍。自然風景写真の世界で確固たる地位を築きつつある。

米 美知子氏は2003年に月刊誌『日本フォトコンテスト』(現在は『フォトコン』)のネイチャーフォト部門で月例年度賞を第1位を史上最年少で獲得し、その後、プロとしてのキャリアをスタートさせる。カメラ雑誌への写真提供や原稿執筆をはじめ、写真集三部作『光の音色』『青い森話』『水のゆくえ』(文一総合出版)を発表。「米 美知子写真教室」「ワイ.ワン フォトアカデミー」を主宰し、「キヤノンEOS学園」や「ペンタックスファミリー」で講師も務める

人気のフルサイズデジタル一眼レフカメラ「EOS 5D Mark」の製品カタログの随所に米氏の作品が掲載されている。実は筆者もこのカタログに掲載されている作品を見て、米氏のファンになったクチである

 今回は、そんな米氏が主宰する「米 美知子写真教室」を直撃してみた。


和やかな雰囲気の中で授業は始まる

 写真教室は月1回の頻度で行われ、2時間の授業の中で受講生の作品をスライドで映写して米氏が講評していくスタイル。受講生は30代から80代と幅広く、35mmフイルム、中判フイルム、デジタルとさまざまなユーザーがいる。授業は終始和やかな雰囲気のなかで行われ、同氏と受講生の掛け合いも楽しい。例えば、ピントを画面のどこに合わせたのかを議論していたときのこと。

米 氏「Aさん、ピントはどこに合わせたの?ここ?」
受講生「(自信なさそうに)……はい。そのへんです……」
米 氏「そのへん? 『そのへん』ではなく『そこ!』って言わなきゃダメじゃないの!(笑)」
受講生「は、はい」
一同大爆笑

 作品づくりにおいて、米氏は「ピントの位置は1点だけ。どれだけ絞り込んでも、ピントが合っているように見えているだけ」と、フレーミングや構図と同じくらいピントの位置を重視している。そのため、受講生にも必ずピントの位置を明確にするように説いている。

授業内容は、受講生の作品(ポジフィルム)をスライドに映写して米氏が指導していく。優秀な作品には米氏から「はい、合格!」と太鼓判を押されたり、「これはコンテストに出しましょうね」と薦められたりする

デジタルカメラユーザーはポジフィルムではなくプリントを提出する。「デジタルだと彩度やコントラストが不自然になることがあるから、プリントするときは調整しすぎないように気を付けて」と米氏


的確なアドバイスを送る米氏と向学心旺盛な受講生たち

 また、授業中は受講生からの質問も絶えず、米氏もひとつひとつ丁寧に答えていく。以下は、寒さで水が凍った滝を見上げるようにして撮影した作品を指導しているときのやり取りである。

受講生「画面上部に白い空と雑木林が見えていますが、これはフレーミングに入れるべきですか?」
米 氏「白い空は味気ないけど、白い空と雑木林を入れることで作品に奥行きが生まれるでしょ? だからこの場合は白い空を入れるのが正解」
受講生「空がもし青かったら?」
米 氏「青い空だったら滝の割合を減らして、もっと空を入れるフレーミングを考えましょう」

 受講生の作品をひと目見ただけで、その作品を撮影したときの状況を見抜き、どうすればさらに良い作品になるかを一瞬にして解説する米氏。

 「ちょっと左に動いて画面端にある松の木をフレームアウトさせれば、桜の木と空でスッキリした印象になりますよ」「乙ヶ妻(しだれ桜で有名な景勝地)に行くならば夜明け前がオススメ。街明かりや月明かりで撮ると桜に色が付いて面白いですよ」とテンポよく指導していく姿にただただ驚かされる。

 そして、中~上級者向けの教室とあってか、受講生も非常に勉強熱心。「この教室には、いちばん出来のいい作品を持ってくるわけではありません。どう撮ればいいのか迷った作品を『米先生だったらどうするだろう?』『どんな答えを出すのだろう?』ということを考えて提出しています」と、ある受講生は語ってくれた。

皆勤賞の記念品として、米氏からサイン入り著書『情景探し』やフイルムなどが受講生たちに贈られた

 毎月1回、第一線で活躍する写真家から直接指導を受けるというのは贅沢な話である。しかも取材当日は新年度最初の授業だったため、前年度の授業をすべて出席した受講生には、米氏から皆勤賞として記念品が贈られる場面もあった。


まずは「情景探し」を読んで独学から始めてみよう

 この記事を読んで米氏の写真教室に興味を持った方もいるはず。しかし残念ながら、同氏の写真教室を東京都内で行われているため、誰でも気軽に受講できるわけではない。地方などに在住の方は、まずは「米 美知子の自然風景撮影術 情景探し」から始めてはいかがだろうか。本書を読めば、米氏がシャッターを切るまでに、いったい何を考え、作品にどのような意図を込めているかがわかるはずだ。

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