これは欲しいと思わせる筐体デザイン
FOSTEXのPM0.4nは、2006年に発売されベストセラーとなった「PM0.4」の後継機種。基本的な特徴は従来製品を継承しているが、上部のコーナーを落としたよりコンパクトなデザインに変え、全4色のカラーバリエーションを用意している。
選択できるのは、ブラック・ホワイト・レッド・パープルの4色で、フロント部分はいずれもピアノの表面を思わせるグロス仕上げ。採用するユニットはもちろんFOSTEX製で、10cm口径のウーファーと、19mmのソフトドームツィーターを組み合わせた、2Wayバスレフ型となる。
本機はパワードタイプなどと呼ばれるアンプ内蔵型のスピーカーだが、アンプ部分は豪勢にユニットごとに別個に用意している。バイアンプなどと呼ばれる方式で、ユニット間の干渉を抑え、より純度の高い音楽再生が可能だ。
実は個人的にパワードタイプのスピーカーには興味があった。
理由は明確でとてもシンプルに設置できるからだ。通常のオーディオシステムでは、ミニマムな構成でも大きく分けてプレーヤー部、アンプ部分、スピーカーの3つが必要(ミニコンポなど一体型システムはプレーヤー部とアンプ部分がひとつになっている)だが、パワードスピーカーを使えば、ソース機(通常ならCDプレーヤー、PCオーディオならパソコン)とスピーカーだけで済む。
スピーカー用の電源は別途取る必要があるが、電源コンセントさえうまく確保できれば、ケーブルが少ないとてもスッキリとした配置が可能だ。今回はパソコンとの接続をメインに考えるが、CDプレーヤーとの組み合わせでも、使用するケーブルはCDプレーヤーとスピーカーをつなぐLINEケーブル各1本で済んでしまう。
しかもアンプはスピーカーの特性に合わせた設計になっているので、マッチングに頭を悩まさなくて済む。スピーカー用の電源は左右別々に必要となり結線など面倒な反面、左右の電源が独立していることはオーディオ的には有利となる。
パソコンの周辺機器として提供されているスピーカーはパワードタイプが多いが、大抵は片側に2台分のアンプを入れて、左右のスピーカー同士をスピーカーケーブルで接続する方式を取っており、スピーカー本体の構成が左右で異なるため、当然、出音も違うものになってしまう。
これら一般のパソコン用パワードスピーカーに対して、プロ用モニタースピーカーの流れを汲むPM0.4nは、電源から入力まで左右のスピーカーが全く同一で、ウーファーとツィーターそれぞれに独立したアンプを持っており、音質的に好ましいことは言うまでもない。
パソコンで使用することを考えると、不足しがちなコンセントを2つ使うこと、ケーブル周りが若干煩雑になることがデメリットといえばデメリットだが、こと音質に限って言えば、圧倒的にPM0.4nが圧倒的に有利な点はお分かりいただけると思う。