今後のカメラユニットに期待すること
撮像素子とレンズを組み合わせた状態(映像エンジンも含めている)でカメラユニットという構成をとり、そのカメラユニットを交換することによって画角を変更する。カメラユニットごとのレンズと撮像素子の組み合わせでそれぞれ最適にチューニングする。この方式はデジタル一眼レフのバヨネット交換マウントより、こと「画質」という点で見たら最適な方法なのかもしれない。
どんなに精度の優れたレンズマウントであっても、機械的な誤差や使用していく中での摩滅、それを内包するための遊びが必要になってくる。固定してしまえば遊びはなくなり、あくまで工作精度だけの問題になる。そのためのコストは若干上乗せになるかもしれない。しかし、そのコストを負担しても気にならないくらいの画質をGXRは示してくれている。
機械的に真っ正直に作られていると感じるGXRではあるが、もう少し遊びも欲しいところである。例えばライカマウント(Lマウント)やプラクチカマウント(Sマウント)を備えたAPS-Cセンサー内蔵のカメラユニットなどがあっても面白いと思う。
レンズとセンサーが一体というGXRの思想とは反比例するのでリコー自体がそれをするとは思えない。ただ、GXRシステムの参加企業を募っているということなので、リコーでやらずともいいと思う。このようなレンズ交換式カメラユニットは一眼レフばかり触ってきた筆者の妄想的希望である。
GXRシステムの新規カメラユニットは、前述のGR LENS A12 28mm F2.5と、光学10.7倍(28~300mm)ズームレンズ&裏面照射型CMOSセンサーを搭載する「RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC」(今夏発売予定)の2種類が発表されている。
レンズ交換式一眼レフ「XR」を彷彿とさせるのであれば、さらにカメラユニットを増やしていくことが急務だろう。そのとき、カメラユニットというシステムそのものが開発スピードの足枷にならないことを祈るばかりである。
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