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HYBRID W-ZERO3の使い勝手を高めるBluetooth

2010年03月31日 09時26分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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HYBRID W-ZERO3はBluetoothに対応し、さらに幅広いプロファイルをサポートしている。そこで今回は、さまざまな機器をBluetooth経由でHYBRID W-ZERO3と接続してみた。

ヘッドセットで会話しながらインターネットが利用可能

 以前の記事でHYBRID W-ZERO3におけるBluetoothの設定方法を解説したが、今回は実際にBluetooth機器を接続して利用したところをレポートしていこう。まず試してみたのは、HSPとHFP、さらにはA2DPに対応したBluetoothレシーバーであるソニーの「DRC-BT60P」だ。

ソニーのBluetoothレシーバーである「DRC-BT60P」。A2DPにも対応しているので、Windows Media Playerの音楽を聴くこともできるほか、「AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)」プロファイルにより一時停止や曲送り/曲戻しも可能

 DRC-BT60Pは接続したヘッドフォンを使って、Bluetooth対応機器の音声を聴けるという製品。マイクも内蔵しているため、ヘッドフォンを使って相手の声を聞きつつ、そのまま喋れば会話ができる。

Windows Media Playerで再生した音楽をBluetoothで出力しているところ。画面上部にヘッドセットを使っていることを表すアイコンが表示されている

 DRC-BT60Pのマイクは感度が高く、背面のクリップを使って胸ポケットなどに挟んだ状態でも通話は可能。この体勢なら長時間の通話でも手が疲れることはないし、別の作業をしながらでも会話ができるのは嬉しい。

 さらにPHS回線と3G回線の両方が使えるHYBRID W-ZERO3なら、こうしてハンズフリーの状態を活かし、通話しながらインターネットを利用することが可能だ。たとえば会話の中で出てきたキーワードをWebブラウザで検索したり、あるいは会話しながら相手に見てもらいたいファイルをメールで送信したりすることが可能だ。また付属の手描きチャットを使って、言葉では分かりづらいことを図にしながら説明するといった使い方もアリだろう。

Bluetoothレシーバーを使って会話しつつ、Webサイトを閲覧しているところ。

 HYBRID W-ZERO3は「HID(Human Interface Device)」プロファイルにも対応しているので、マウスやキーボードを接続して利用することも可能だ。マウスを接続すればマウスカーソルが表示されるので、PCと同様の感覚で操作できるのが嬉しい。

バッファローのBluetoothマウス「BSMLB01MBK」。中央部がグッと絞り込まれたデザインが格好いい。進む/戻るボタンもある5ボタンマウスだ

 実際に試したのはBluetooth対応でレーザー式マウスの、バッファロー「BSMLB01M」シリーズ。接続はあっさりと成功し、スグに画面上にマウスカーソルが現れた。やはりマウスでの操作は快適で、特にWebサイトの閲覧などでは威力を発揮する。Internet Explorerでホイールが働かないのは残念だが、タッチパネル操作と同様に左ボタンによるドラッグでスクロール可能なので、それほど不満はない。HYBRID W-ZERO3の操作性向上に、Bluetoothマウスはぜひ活用したいアイテムだ。

Bluetoothマウスを使ってWebサイトを閲覧しているところ。画面中央にマウスカーソルが表示されているのが分かる

 なお、Bluetoothはプロファイルが違っていれば複数のデバイスを同時に利用することができる。たとえばA2DPプロファイル対応のBluetoothスピーカーを使って音楽を流しつつ、マウスをHIDプロファイルで接続してWebサイトを閲覧といった使い方もできる。

外出先からのインターネット利用が“0円”

 もう1つ、HYBRID W-ZERO3のBluetooth接続でぜひ試してほしいのが「PAN(Personal Area Network)」を利用したインターネット接続だ。

HYBRID W-ZERO3に付属するW-SIMの「RX430RL」。通信速度は最大400kbps。メールの送受信や画像やFlashの少ないページなら、それほどストレスなくインターネットを利用できる

 先日、HYBRID W-ZERO3専用の料金プランである「新ウィルコム低額プランG」の内容が改訂され、PHSでのパケットデータ通信が使い放題となった。これにより、HYBRID W-ZERO3を利用した通信はもちろん、外出先でのPCを使ったインターネット接続でもPHS回線を使えば0円ということになる。

 HYBRID W-ZERO3のPHS回線用のW-SIMとして使われている「RX430AL」、通称黒耳の通信速度はW-OAM TypeGの光IP化エリアでも最大400kbpsで、3G回線の下り最大7.2Mbpsと比べるとかなり遅い。ただ、多少遅くてもそれ以上に0円のアドバンテージは大きいと言えるのではないだろうか。

 この魅力的なPHS回線を使い、PCをインターネットに接続する際にBluetoothが利用できる。このとき使うのが、Bluetoothを使ってネットワークを構成するPANプロファイルで、HYBRID W-ZERO3をルータとして用いてインターネットに接続する形態になる。

 実際にPAN接続を利用するには、PCとHYBRID W-ZERO3をペアリングした後、HYBRID W-ZERO3のスタートメニューから「インターネット共有」を選び、「PCとの接続」で「Bluetooth PAN」、「ネットワーク接続」で「CLUB AIR-EDGE」と「CLUB AIR-EDGE 3G」のいずれかを選択する。PHS回線を利用してタダでインターネットを利用するなら、「CLUB AIR-EDGE」を選択すればよい。その後、左下の「接続」をタップしよう。

HYBRID W-ZERO3のスタートメニューから起動する「インターネット共有」。「ネットワーク接続」で「CLUB AIR-EDGE」を選べば、タダでインターネットに接続できる

 PC側はWindows 7のデバイス一覧を開き、「WS027SH」と書かれたHYBRID W-ZERO3のアイコンをクリックする。これで上部のメニューに「接続方法」というコマンドが現れるので、ここから「アクセスポイント」を選択する。これで接続完了だ。

PC側での接続は、デバイス一覧からHYBRID W-ZERO3を選択し、「接続方法」-「アクセスポイント」を選択。なお、事前にHYBRID W-ZERO3側でネットワーク接続しておく必要がある

 Bluetoothを介してさまざまな周辺機器をつなぐことにより、HYBRID W-ZERO3の使い勝手をさらに向上できる。また、外出時にワイヤレスでPCをインターネットに接続するための端末としても利用できるなど、Bluetoothの活用範囲は広い。ぜひ積極的に使いこなしてほしい。

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