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TBSネットドラマ『マノスパイ』
テレビ局として初めての本格的なARG展開を無事終了!

2010年03月29日 15時30分更新

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TBSネットドラマ『マノスパイ』
テレビ局として初めての本格的なARG展開を無事終了!

TBSのネットドラマ第3弾『マノスパイ』は、タレントの真野恵里菜主演でスタートした。タレントとして活躍する"マノエリ"こと真野恵里菜は、知られざる使命がある大英帝国諜報部に所属するスパイ。世界の平和を守るため、今日も彼女に新たなミッションが与えられる。
 アイドル・マノエリが実はスパイという裏の顔を持っているという設定で展開されるコメディドラマとして1月26日より配信を開始している。そして、この中で日本初のARG(注*)ドラマとして新たな演出&広告手法を展開してきた。
*ARG=Alternative Reality Game (オルターナティヴ リアリティ ゲーム)
     
●ARGとは
 ARGとは、ドラマをより楽しんでもらうための新しいコミュニケーション手法。ドラマ"本体"を楽しみつつ、ユーザーがその中の「仕掛け」に気付き、ネット検索やある場所に行くなどの行動を起こすとその裏に隠されている様々なストーリーを実体験することになる。プレイヤーが裏に隠されている様々なストーリーを推理することで、その世界へ24時間没入する事を促す。実際に存在する場所や店舗にも訪れるため、スポンサー商品の広告やプロモーションの手段として、欧米を中心に活用され始めている。
   
●代表的事例
 2008年に映画「バットマン The Dark Knight」において、ARG手法を用いたプロモーションが全米を中心に実施された。参加者は劇中に登場する架空の都市 「ゴッサム・シティ」の住民となることで、劇中の登場人物から与えられる指令をクリアしていく。参加者同士の協力によって謎が解かれていく内容に、従来のキャンペーン手法にはなかった没入感を多くの参加者が体感するキャンペーンとなった。カンヌ国際広告祭でもグランプリに輝き、世界的にも高い注目を集めている。
    
●『マノスパイ』での取り組み
 今回、TBSグループ・博報堂DYメディアパートナーズ・アルフレッドコアの3社連携によって、日本初のARG型ドラマを実施した。スパイという物語の世界観をARG的に構築することで、プレイヤーとのコミュニケーションをエンゲージメントする事ができた。
 プレイヤーは「大英帝国諜報部員証」(スパイ証)を入手し、ドラマや裏ブログに記されたヒントを頼りに指定された場所での"ミッション"をクリアしていく。その事が、そのまま「スパイ」という世界観への没入につながった。また、スパイ証に貼るシールを入手することが達成感を促し、その後、新たなミッションをこなしていく事で得られるシールが諜報部員としてのステイタスとなった。「スタンプラリー」のようなステップを、ネットドラマを視聴し、フォーラムで助け合い、徐々に謎が解けていくというまさに「スパイ」のイメージを現実世界で実体験させる趣向だ。
   
 真野恵里菜の「裏」ブログであるスパイブログ「mamiya's diary」ではミッションについての数々のヒントが記された。そして、3月13日、最終ミッションの場となった「ファミリーマート東麻布一丁目店」には、137名の参加者が集まるとともに、真野恵里菜が実際に"店員"として登場するサプライズ演出を行った。
 「ウィキペディア」のようにユーザー自らが編集することで完成してゆくコミュニティサイト「mamiya's caffe」においては、お互いが「活動報告」することでユーザー自身の手でサイトが充実してきた。
   
  
【今回の結果について:デジタル事業センター】
 テレビ局として初めての本格的なARG展開を無事終了することが出来たが、今回はトライアル的な要素、そしてクライマックスとなる「ミッション3」においては、真野さん本人が登場するうえ、コンビニエンスストア1店舗という"器"の大きさを鑑み、コアファン150人を誘導することを目的とした。
 そこで、ARGの難易度を高めに"チューニング"=設定することによって、当初の予定通りの数を集客することに成功し、かつその過程において各クライアント様の指定する商品を購入してもらう、という行為に結びつけることが出来た。
 ネットドラマ、YouTube等の"ソーシャルメディア"、フォーラムにおいて、プレイヤー間で謎解きを助け合う"エンゲージメント"、現実世界での謎解きを行う"エンターテインメント"を掛け算した事が、「ネット時代の新たな可能性」であり、これは、商品購入というダイレクトなメリットだけでなく、物語の世界観に没入する事がプレイヤーの潜在記憶に留まるという部分も含めてスポンサーメリットと成り得ることを実感した。
 今回は例えれば「実験」であり、小規模な展開となったが、今後はクライアントの要望次第で、ARG難易度の調整、テレビなどでの実施告知などを組合せ、大規模なARGイベントを行い、より多くの商品購入に結び付ける事、あるいは大規模であればあるほど、多くのプレイヤーが移動するため、地方観光活性化策などに展開が可能である。今後新しい広告手法としてのARGのさらなる可能性を模索してゆく。


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