Thermaltakeのオススメ電源は?
さてさて、Thermaltakeの電源へのこだわりが理解できたところで、同社を代表する製品を詳しく見ていこう。
Thermaltake製品の魅力が詰まった
「Toughpower XT 850W Cable Management SPEDO Edition」
実売価格:2万5000円前後
「Toughpower XT 850W Cable Management SPEDO Edition」は、Thermaltakeの電源ユニット「Toughpwer」シリーズの中で高級モデルに位置する、80PLUS BRONZE認証を取得した定格出力850Wの高効率ハイエンド電源である。
まず、最初に目を引くユニークポイントは“ケーブルが長い”ことである。マザーボード全般に電力を供給するATX24ピンケーブルと、CPU用8ピンケーブルは650mm、PCI-E用6/8ピンケーブルは600mmと、フルタワーケースでも楽に配線が行なえる長さだ。実際のところウルトラハイエンドクラスの電源となると、このレベルの長さを持つ製品は見かけるのだが、スペックにケーブルの長さを記載している製品はそう多くはない。まずはケースを用意し、そのサイズに見合う電源ユニットを探すという人にはありがたい配慮だと言える。
そのほかにも12Vラインが1系統というのも特徴的だ。最近の電源ユニットは12Vラインを複数に分けているものが多いが、この場合どこかのラインに巨大な負荷がかかるようなシステムだと、そのラインが出力不足になる。本製品は1ラインにまとめることにより、そういった要因を排除しているわけだ。12Vの出力は52A(624W)で、同クラスの容量を持つ複数ライン製品のコンバイン出力と比較するとやや低く見えるが、ウルトラハイエンドクラスのビデオカードを複数枚使うのでなければ十分まかなえる数字である。1CPU+1ビデオカードという構成なら、出力に関する不安はない。
そのほかには5Vスタンバイ、PGシグナル、内部温度状態を示すLED「S.P.Tインジケータ」が本体側面に備わっている。このような内部状態を表示する付加機能は、電源ユニットに詳しいユーザーにとって面白いだけでなく、トラブル発生時にその要因を突き止める手助けになるだろう。ただし、LEDは側面にあるためケースに設置してカバーを閉めると確認できない。そのため、確認しながら運用ではなく、トラブル発生時の確認用の機能と言えるだろう。
搭載されている冷却ファンは140mm角のボールベアリングタイプで、風の向きを誘導するための透明なカバーが付けられている。また、システムシャットダウン後にファンを延長稼働する機能を持つ。この機能を持つ製品は多いが、本製品はその時間をユーザーがカスタマイズ可能で15秒、30秒、自動の3タイプから選択でき、設定変更は背面主電源スイッチ横に用意されている。こうしたカスタマイズが可能なのはなかなかユニークだ。このように本製品は独自の機能を多く持ち、競合製品との差別化が行なわれている。実売価格は2万5000円前後と、高級850W電源の中では標準クラスの価格だ。価格的なアドバンテージはないが、セールスポイントとなる多くの独自機能を有しており、魅力的な製品に仕上がっていると言えるだろう。
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