このページの本文へ

四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第20回

バンドブームの申し子・すんzりヴぇrPが見たニコニコ動画

2010年03月27日 12時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

どんとに自分の歌を聴いてもらいたくて

―― でも結局、音楽は始めてしまうんですよね。

すんz 高校までバレーボールをやってたんです。でも3年になって引退するじゃないですか。ちょうどその頃はバンドブームで、友達は皆夢中という状況でね。俺もやってみたいなあと。それでギターを始めたんです。

 

―― どんな曲をやったんですか?

すんz ローザ・ルクセンブルグですね。

ローザ・ルクセンブルグ : どんと(vo)、玉城宏志(g)、三原重夫(dr)、永井利充(b)のロックグループ。1983年に結成し、NHKのヤングミュージックフェスティバルで優勝。1986年にアルバムデビューしたが1987年に解散。その後、どんとは永井利充と共にボ・ガンボスを結成。2000年1月、37歳の若さでこの世を去った

―― TMからいきなり!

すんz 高3から音楽を始めるのは、周囲に比べると遅い。それで「飛び級」したかったんです。どんとと玉木さんは拾得の従業員だったので、いろいろ聞き出せるわけですよ。でも、ほとんど一人で、いきなり録音から始めたんですけど。

―― それはずるいですね。でも、バンドはやらなかったんですか? せっかく実家がライブハウスなのに。


すんz バンドブームだったので、実家が音楽関係という子どもたちが、やっぱり同じようにバンドをやっている。それがみんな一緒なんです。親が期待するような音楽を、そのままやっていてつまらないわけです。

―― ロックをやってても、境遇がそうだと優等生化しちゃうわけですか。

すんz 格好はすごくワルなんですけどね。ロッケンロー! みたいな感じで。

―― だから学校を卒業して、音楽業界を目指そうとも思わなかったというわけですか?

すんz ぜんぜん思いませんでしたね。

―― じゃあ何を目的に音楽をつくっていたんでしょう?

すんz ミニコミみたいな感じですね、友達に配るような。あとは留守電です。むかし、留守電の応答音声って自分で録音したじゃないですか。あの15秒くらいのところにハマる曲とか。

―― でも2002年に「ストーミーサンデー」というCDをリリースしていますが。

ストーミーサンデー(2002)

すんz どんとさんに自分のオリジナルを聴かせられたらなあ、と思っていて。録りためたテープの中からいい曲を選んで「聴いてください」と渡したんです。そうしたら結構気に入ってくれて。それがうわさを呼んで、という感じですね。

―― へえーっ、それはすごいじゃないですか!

すんz あとはCD-Rでライブハウスに来るお客さんに配ったり。

―― ライブハウスってご実家ですよね? ステージには上がらないのに?

すんz ははは、いや、そうなんです。でもそれだけじゃ反応が返ってこないので、ジャングルライフっていうフリーペーパーがあって、そこがデモテープを聴いてくれるというので、送ってみたんです。そしたらレーベルの人から話が来て、CD-Rをそのまんま出したという感じですね。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン