5画面表示に対応したEliteBook 8740w
もうひとつの注目機種と言える、EliteBook 8740wは、ISV液晶パネルを採用した17型ワイドタイプのノートパソコンで、Core i7 Extream Edition、最大16GBメモリーが搭載できる。USB 3.0にも対応する。
HPによるとワークステーションの出荷台数のうち、デスクトップとモバイルが占める比率は3:1となっており、5年間に渡り年率26%という高い水準で伸びている。2009年の実績では、x86系のWorkstationでノートが占める割合は27%となった。HPは世界市場では、モバイル分野で高い存在感を示しており、冒頭で述べたワークステーションシェアの拡大にも大きく寄与しているようだ。
EliteBook 8740wの天板はアルミ合金製で、キーボードには同シリーズとして初めてバックライトを付けた。全体に高品位な作りだ。米軍が定めたMIL-STD810G準拠の防塵・防滴・耐振動・耐低温仕様とするなど、堅牢性にも配慮している。
GPUには「ATI FirePro M7820」(GDDR5 1GB)、「NVIDIA Quadro FX 2800M」「NVIDIA Quadro FX 3800M」(GDDR3 1GB)が選べる。
オプションのドッキングステーションを搭載することで最大4台のディスプレー(DVI×2系統、Display Port×2系統)を接続できるため、本体と合わせて5画面表示が可能だ。
本体サイズは幅397.5×奥行285.6×高さ36.5mmで、重量は3.57kg。米国での販売価格は1999ドルからとなっている。
100年に一度の世界不況と言われた2009年。発表会が開催されたロサンゼルス近郊では、移動中のバス車内から閉店する店を数多く見かけるなど傷跡の深さを感じた。
景気後退による投資の減退の影響はワークステーション市場にも影を落としたようだ。とはいえ米国市場は昨年後半から奇跡の回復を果たしたとされており、2010年には大きな躍進が期待されている。国内においても、年度末にかけて製品の受注が大幅に増加しているとのことで、HPの国内担当者の話では、3月には生産が追いつかず、バックオーダーを抱えるほどの盛況ぶりだったという。
国内では、2010年に3Dテレビが製品化され、話題を集めているが、発表会でも冒頭で述べた3Dディスプレーのほか、NBAやアバターとなど3Dコンテンツの紹介にも大きな時間が割かれ、この分野に同社がかける意気込みを感じることができた。
HPは米国のアニメ制作会社DreamWorksと長年にわたる協業体制を敷いており、制作環境を支えている。今年は、DreamWorksのデータセンターを見ることもできたので、改めて紹介する予定だ。