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妥協しない高品質電源選び 第2回

妥協しない高品質電源選び【Antec編】

2010年04月06日 18時00分更新

文● 宇野 貴教

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“業界初”の先進仕様を体験するならAntec電源がオススメ

Antecのポリシーは「VIP」。バリュー(V)、イノベーション(I)、パーフェクション(P)の略だ

――安定性について独自の工夫はありますか?

Antec 高出力時の電圧低下に備え非常用出力としてコンデンサを搭載する「PowerCache」技術、すべてのAntec製品の全出力系統に備わる「OCP(過電流保護)」、電源ユニットが継続的に出し続けることができる最高の出力である「継続定格出力」を高い数値でかつ安定させるといった工夫が施されています。

1000W級電源ともなってくると、ちょっとした故障が大事故を起こす引き金となる。Antec製品では+12Vを含むすべての系統にOCP(過電流保護)が搭載されている


――冷却ファンの選定基準はありますか?

Antec ファンノイズを抑えるためにPWMファンを採用しています。電圧制御ではあまり回転数を絞れないのですが、PWMファンなら回転数を10~15%まで落とせるので、静音性において有利です。もちろん、内部の熱が上がればファンの回転数も上がりますが、最高回転数に達するには相当な負荷が必要になるので心配ありません。

PWMファンは最大定格速度の10~15%のスピードで回転させることができ、静音にも効果を発揮する。ちなみにPWMファンの電源への採用はAntecが初


――ケーブルの取り回し・使い勝手についての取り組んでいることは?

Antec CPU、PCI-E、SATA、ペリフェラルといった最低限必要なものに関しては、電源ユニット内部から直接ケーブルが出ています。これらで足りない場合は、プラグイン方式でケーブルを追加することができるハイブリッドケーブルシステムを採用しています。

電源ケーブルには業界初の「パワーキャッシュ」技術を採用。ケーブルのCPUおよびグラフィックボード用コネクター直近に搭載した2200μfのコンデンサーが電力を蓄え、負荷増大時にはそこから予備電力を供給するという仕組み。これによって安定した電力供給を実現する


――出力が上がると回路も大きくなりますが、小型化への取り組みはどうでしょう。

Antec DC/DC電圧制御モジュールを組み込むことで、伝統的な磁気コイルからICチップへと小型化を実現しました。また、小型化も重要ですが、CP電源のように回路を大型化することで高品質、コストパフォーマンスの向上を実現することも可能です。設置スペースは必要ですが、大きな電源ユニットにもメリットがあるのです。


――いわゆる「メーカー豆知識」があれば教えてください。

Antec Antecは、グローバル企業として資源を有効活用し、無駄を最小限に抑える責務を認識しています。そのため、環境への悪影響を最小限にとどめるための努力を重ねています。具体的に説明すると、廃棄物のリサイクルや品質管理テストで発生した熱の再利用などです。製造だけでなくパッケージにおいても可能な限りグリーンな取り組みを推進しており、パッケージにはリサイクル紙のみを採用し、インクは生分解性の大豆インクを使っています。

Antec電源はパッケージ共々よく目立つが(「阪神タイガース仕様か!?」と見紛うような黒地に黄ストライプの「TruePower Quattro」シリーズは有名!)、環境を考えたエコ仕様でもあるのだ


Antecから学ぶ「継続定格出力」と「ピーク出力」の違い

 Antecが昨今啓蒙を進めているのが「継続定格出力」と「ピーク出力」の違い。前者は電源が継続的に供給できる出力で、後者は急激に電力が必要になった場合に瞬間的に供給される値を指す。同じ850Wという表記でも、どちらの出力を指すかによって電源の性能はまったく異なるというわけだ。Antecがパッケージなどに表記しているのはもちろん前者の「継続定格出力」のほう。

このグラフで「継続定格出力」と「ピーク出力」の違いは一目瞭然だろう。赤線グラフの電源はあくまでもピーク出力が850Wであって、継続定格出力は800Wといったところだ

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