ASCII Research Interview――深夜対談 神田敏晶×遠藤 諭
Twitter、Ustream、リアルタイムウェブを企業はどう活用する?
2010年03月25日 12時00分更新
プロモーションもサポートも、
すべてがここに統合される
遠藤 企業の活用に話を戻すと、米国では2005年ごろに「Dell Hell」(デル・ヘル:デル地獄)という話題がありました。デルのパソコンは壊れやすいというのが、ネット上で祭りになったんです。そこで、デルのスタッフたちが、そういうブログを書いている人たちに徹底的に連絡を取って、「これからはこうします」ということを一生懸命伝えました。それで、デルのイメージは回復したと言われています。
以前なら、メディアに投書するとか、看板持って立つことくらいしかできなかったのが、ネットの時代になって、消費者のほうが発言力が強くなったんですね。でも、Dell Hellのころは、かなり苦労して個々に連絡をしていたのが、Twitterというインターフェースがある現在なら、もっと初期に消費者とやりとりができます。
Twitterのアカウント1つあるだけで、何かあったらすぐに答えられます。従来のサポートだったら、会議をしてから返答を決めるとかだったのが、Twitterになった段階で、やり取りはいやでもスムーズになってくるでしょう。ユーザーからクレームが来る前に、こちらから探して対処することもできますからね。顧客のニーズも拾えれば、クレーム処理もできる、だから私は、Twitterって企業に呼吸穴ができたような印象なんですよ。ただ、そのためのノウハウも定石もまだこれからですよね。
神田 その根底にあるのは、顧客の動きに耳を傾けられるかどうかということです。プロモーションやブランディングにしても、広告を出して人々の注目を買うという発想ではなくて、いかにコミュニケーションを取るか、顧客と会話するか、そしてどういう反応が出てくるのかをちゃんと見て行けるかにかかっています。
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