先週アップされた用途に合わせて選ぶ、USBメモリーの記事を読んだ。確かに社会人はUSBメモリを使うことが多い。ここでは今までの経験を踏まえ、個人的にどんなUSBメモリがスマートなのか見ていきたいと思う。
オフラインでのコミュニケーションで有用
今から10年前、リムーバブルメディアといえば、フロッピーディスクか、MOかという感じであった。当時は私も雑誌の編集部に所属していたが、印刷所へのデータ入稿はフロッピーやMOだった。そういえば、ZIPやJAZZなど数多くのリムーバブルメディアがあった。
それから10年。今やリムーバブルメディアといえばUSBメモリだ。ギガバイトクラスの容量をこんなに簡単に持ち歩けるメディアが、数千円で手に入るなんて、まったくイイ時代になったものだ(遠い目)。
昔はネットワークが広帯域化したら、メールやファイル転送で、ファイルを送ればよいので、リムーバブルメディアの需要はなくなるのではと思ったこともあった。確かにそういった部分もあるが、今でもUSBメモリの利用用途は意外と広い。
たとえば、メーカーさんのインタビューのときに資料を直接もらう場合は、USBメモリが便利だ。ご存じのとおり、昨今パワーポイントのファイルは肥大化しており、メールで送るにはやや不安が残る。あとから資料を送ってもらうよりも、「手元にUSBメモリがあるので、こちらに入れてもらえますか?」と頼んだ方が手っ取り早い。
出張レビューのような記事で画面キャプチャをもらう場合も、USBメモリは欠かせない。当事者同士がオフラインで直接やり取りするので、安心感も高い。ちなみに、こうした用途では、転送速度の速いUSBメモリはいいなと思う。先方が目の前にいるところで、ファイル転送に時間をかけるって、なんとなく気まずいからだ。
あと意外なところで、納品用途でUSBメモリは重宝する。私たちは広告案件のからみで、ユーザー事例やインタビューを執筆するといった仕事もやっていたりするのだが、こうした場合の納品はメールで送るのではなく、「納品ハードウェアを先方にお持ちする」といったプロセスが意外と重要だ。こうした際、USBメモリはけっこう役に立つ(小さいので納品物としての風格は乏しいが……)。
こうした用途から考えて、メーカーさんに作ってもらいたいのが、使い捨て目薬のように包装されたUSBメモリ。ウイルスとかが入っていない滅菌処理済み!みたいな印が付いていて、先方の目の前で封を開けて、安全性をアピールして使うというわけだ。潔癖症という訳ではないが、他の人のUSBメモリを自分のシゴトPCに挿すという抵抗感を少しでも和らげられるかも知れない。
ありがたいことに私はノベルティとして取材先からUSBメモリを頂戴することが多く、積極的に製品選びをしたことがない。冒頭の記事を読むとなにやら2台のマシンのファイル転送に使えたり、RAID0構成のUSBメモリがあるなんていうのはやや驚いた。今後もユニークな製品が、どんどん出てくることを期待したい。
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