企業データのバックアップやアーカイブで用いられる磁気テープの規格「LTO Ultrium(ウルトリウム)」の第5世代に対応したメディア(データカートリッジ)が各社から次々発表されている。LTO Ultrium 5データカートリッジを発表したのは、富士フイルム、イメーション、TDK、日立マクセルなどとなっている。
磁気テープは信頼性も高く、長期保存性にも優れるため、ハードディスクへのバックアップ(D2D)が増えている現在も根強いニーズがある。2000年に第1世代が規格化されたLTO Ultriumは、こうした磁気テープの事実上標準的な規格。最新規格の第5世代では、12.65mm幅のテープに1280本の記録トラックを設けることで、標準で1.5TB、2倍圧縮時3TBの容量を実現した。転送速度も140MB/s(2倍圧縮時280MB/s)と高速化され、最新のITシステムに対応する磁気テープ規格となっている。
これらLTO Ultrium 5製品のリリースは、LTO認証機関であるCVE(Compliance Verification Entity)による認証試験が完了したことを受けたもの。各社とも、データカートリッジとともに、保存データの改ざんを防ぐためのライトワンス追記型(WORM:Write Once, Read Many)のカートリッジもラインナップ。また、紛失時の情報漏えいを防ぐ暗号化機能もサポートしている。
各社の製品は3月末から、4月末にかけて、順次出荷される。