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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第68回

中学生iPhoneアプリ開発者・Tehu氏の夢

2010年03月22日 12時00分更新

文● 古田雄介

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大人とのコミュニケーションに抵抗がなくなった

―― サイトの更新やTwitterでのやりとり、アプリの開発など、かなり活発に活動していますが、学業との両立は大変そうですね。

Tehu テスト前は勉強に集中しますけど、普段はプログラミングやネット活動となんとか両立していますね。あとは、部活で化学研究部もやっていて、文化祭でスライムを作ったり、毎年高校の大会に中学生枠で参加させてもらって、高校化学の計算式を解いたり化学実験をしたりしています。自分としては化学はITより難しく感じていて、色々頑張っているところです。

好きな教科は数学や物理、化学、地学、生物学、音楽、日本史などという。「国語と英語はちょっと苦手で……iPhoneアプリのリファレンスを英語で書くときはかなり大変でした」と笑う


―― 学校の友達とも「iPhone面白いんだよ」「Macすごいんだよ」みたいな話をしたりします?

Tehu 学校だと、僕の友人で詳しい人は2人くらいなんですけど、2人ともWindows寄りなので、あまりそういう話はしないですね。やっぱり、Macやアプリのことはネットの友達と話すほうが多いです。ネット上にも、MacやiPhone好きの中学生やプログラマーの中学生が何人かいるんですよ。

 学校の友人とは毎日顔を合わせているじゃないですか。それで楽しいというか、そういうのはあるんですけど、TwitterやSkypeで時々話すネットの友達というのは何か違うんですよ。何ていうんでしょう……すごく自分にしっくりくるというか。考えている深いところで話が合うというか。


―― なるほど。学校の友達はすごく身近だけど、ある程度は地域によって出会える人が限定されている。でも、ネットだったら顔や息づかいみたいなものは見えないかもしれないけど、地域に関係なく深く気の合う人と出会うことができるというわけですね。もうひとつ、ネットのポイントは学年の縛りがないことでしょうか。Twitterでのやりとりをみても、かなり目上の方ともコミュニケーションをとっていますよね。最初から抵抗なくやりとりできました?

Tehu 確かにそこは違いますね。学校だと実際に目を合わせて話す人はほとんど同い年なんですけど、Twitterでは半分くらいが大人の方なんですよ。

 大人の方と話をするのは、やっぱり最初は抵抗というか怖さはありました。「失礼だったらどうしよう」と思って話しかけられなくて。だけど、少しずつ会話が増えていって、今はもう慣れましたね。


―― 今はすごく軽快に会話してますもんね。そうなると、リアル社会での大人はどうでしょう? 20代や30代、40代の人と実際に会って話すときは、ネットのときと勝手が違う感じですかね。それとも、同じ感覚ですか?

Tehu 少し違いを感じますね。ネットだと、挨拶とかなくて急に知らない人との会話が始まるというところがあるんです。「この人、誰だろ?」と思ったまま会話が始まって、そのまま盛り上がるということがよくあるんですよ。同じ年や年下の人も同じような感じですけどね。

 あとは共通するとこもある……というか、ネットでのやりとりが普段の社会でも生きていると感じることもあります。ネットで大人の方と色々コミュニケーションをとらせてもらっていることで、リアルでも人間関係が気楽になるというか、誰にでも自分から話しかけていけるようになりましたから。一回だけ、まったく知らない人に突然話しかけちゃったこともあります(笑)。

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