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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第68回

中学生iPhoneアプリ開発者・Tehu氏の夢

2010年03月22日 12時00分更新

文● 古田雄介

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炎上に凹む心を親が支えてくれた

―― 「健康計算機」をリリースしたのも10月末で、ハイペースですね。出したら即ヒットしたんですか?

Tehu 節分恵方計算機を出した後、健康計算機は3日で作りました。計算式自体はネット上にいくらでもあるのでそれをインプットして、デザインやインターフェイスを色々調整してという感じでした。

 でも、いきなりヒットではなかったですね。最初の10日くらいは1日10ダウンロードとかだったんですけど、ニュースサイトに取り上げてもらえて、そこから急にドーンと1日4000ダウンロードくらいいったんですよ。App Storeは1日4000ダウンロードいくと、50位くらいから紹介される公式ランキングに載るんです。健康計算機は無料アプリの世界ランキング40位くらいにランクインしました。

 ユーザーはみんなランキングをざっとチェックしてダウンロードするので、一度載るとどんどん上がっていきます。それでセカイカメラさんやYahoo!さんを抜いて、最終的には総合ランキング3位まで上って。最高で1日8000ダウンロードを記録しました。正直まったく想像できませんでしたね。


―― 個人サイトがブレイクする流れと似ていますね。コンテンツに魅力があると、雪崩式に露出が増えていくという。自分の周囲の環境はけっこう変わりますよね。

Tehu Twitterでフォローしてくれる人が一気に増えました。特にお願いしたりしなくても、有名な開発者さんや尊敬している方たちがフォローしてくれるようになって。そういう人たちとやりとりしてもらえるようになって、質問したら答えてもらえるようになったのは大きいですね。それが最初にありました。

 けど、健康計算機のリリースから数週間で2ちゃんねるに色々書き込まれたんですね。生意気だとか。それで、炎上というか、まあネットの怖さみたいなものも感じました。

TwitterのTehu氏。2010年3月時点でフォロワーは約600人


―― ブレイクすると正負の反応ともに拡大しますもんね。それで心が折れてサイトを閉じたり、アプリの開発を辞める人もいます。Tehuさんはあまり気にしなかったんですか?

Tehu いえ、そのときはもうやめようかなと思いました。生意気とか書かれるんだったら、やらないほうがマシかなと思ったんですよ。でも、そのときに親から「お前はプログラマーになることが夢なんだろ。2ちゃんねるで何百人が書いたからって、そんなんで夢をなくしてもいいのか」と励まされて、ああそうだなと思い直しました。


―― 生意気という意見は「年下のくせに」という意識が前提にあると思います。年齢をハンデに感じることはありますか?

Tehu それはありますね。バッシングされたときもそういうのがあったかもしれませんし、アプリを紹介してもらうときも「中学生なのにすごい」という感じが多いですから。健康計算機がヒットしたのも、中学生が作ったからというのが大きいと思うんですよ。

 でも、それは当然だし、しょうがないのかなと思っています。実際のところ、大人がこんなアプリを作っても全然インパクトがないし、当たり前な感じでしょうから。だからこそ、今は「大人が作ったとしてもスゴい」と言ってもらえるような、そういうアプリを作りたいと思ってやっています。

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