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次世代を支えるシャープのLED技術(前編)

LED電球の現在~シャープはなぜ取り組むか?

2010年03月30日 17時30分更新

文● 秋山文野、遠藤諭、写真●鉄谷ヤスヒロ

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電球の40倍もつから、価格も40倍を目指す

── 業務用で照明としてのノウハウを積み上げ、いよいよ家庭用に参入という形になりますが。

桃井 「LED電球市場への参入については、悩ましい点が多々あったんです。業務用なら導入先のニーズを聞いて製品を企画すればいい。しかし、個人向けのLED電球でお客様に納得してもらうにはどこに注力すればいいか、何にこだわれば買っていただけるかには自信がなかったんです」

初めての経験ですべてが試行錯誤の連続だったと話す桃井氏。LED電球開発のプロジェクトにはさまざまな部署から人材が集められた

── しかし、ふたを開けてみれば、大ヒット。価格も手ごろで、一気に市場を先導する立場になったわけですよね。

桃井 「よくLED電球の価格を半分にした……と表現されるのですが、他社を意識した値付けではないんです。一般家庭で使ってもらうためには、どうしたらいいか、そう考えた上での価格設定です。

 実売4000円弱のモデルからスタートしましたが、これは白熱球の代替を考えてのことです。白熱球は100円で1000時間使える。LEDは4万時間です。時間が40倍だから価格も40倍。しかもLED電球は寿命が来ても70%の明るさになるだけですからもっと長く使える。そこで目標設定したのが「4000円」という価格だったわけです。

 この動きに他社も追従してきてくれたことも転機になったと思います。これによって量販店さんにLED電球コーナーができた。景気の減退によって目新しい商材を探していたという時期の良さもあったと思います。店によっては、フロアーごとに売り場を用意していただいたこともあり、認知が急速に進みました。

 明るい色を使ったパッケージも店頭受けが良かったようです。パッケージには白い清潔感があり、化粧品のように主婦の方でも手に取ってみてもらえるように考えました。なぜか電球には黒いパッケージが多く、色を使っても雑多な感じがあったんです。

LED電球のパッケージ。白を利用した柔らかく明るい印象で、利用イメージなどがわかりやすく打ち出されている

 店頭における展示で、ツブツブ感、ギラギラ感がない均一的な光を見ていただけたことも受けた理由かもしれませんね。電球に近い形にもこだわっていて、ほぼJISの規格通りの形をしています」

── 利用イメージなどが入っていて、ライフスタイルが透けて見えるようなパッケージですね。調光・調色タイプを用意するなど、生活シーンにマッチした商品を企画しているという印象です。

桃井 「リモコンで電球の色が変えられる。調光調色タイプがありますが、これを出すかどうかには悩みました。価格は通常の倍となる8000円程度。でも、LEDがどんな照明かをお客様に分かってもらうために必要だと感じたんです。

 LED電球と言っても一目見ただけでは、下側半分だけが光っている電球にしか見えない。LEDならこんなことができるんだという提案をメーカーからしたいと思いました。色が変えられる、リモコンも付いているんだと電球にも蛍光灯にもできないオンリーワン性を追求したんです」

── 先ほど並べればライン光源、敷き詰めれば面光源……といった話がありましたが、LED照明の特徴として自由度の高さがあると思います。

桃井 「将来的には電球の形である必要はないという提案もできると思います。様々な形状の照明にも取り組んでいきたいです。LED照明という言葉もようやくお客様の耳にもなじんできましたから、次の照明という分野にもそろそろ入れるのではないかと。

 LEDは点光源にもなるし、ライン光源、面照明にもなる。照明の範囲が広がり、今まで照明がなかったところにもLEDが付けられる。

同じ場所でも照明を変えることで雰囲気が大きく変わる

 主照明だけでなく、ウォールウォッシャー、全般照明として、生かせる範囲が増やせるでしょう。蛍光灯のように場所を取らず、継ぎ目がない照明も作れる(蛍光灯は左右の電極部分に必ず光らない場所ができる)。

 壁面に埋め込んだり、机の下だけを照らすといった演出照明が自宅でも簡単にできるようになります。建材と一緒になった照明や家具と一体化した照明など、生活シーンを変えられる照明も可能になるでしょう」

── 調色機能も有効に活用できそうですね。

桃井 「照明を変えると、同じ場所が全く雰囲気の異なる場所になるんです。調光・調色タイプの製品を出したことで、お客様のほうでも新しい使い方が生まれてきているように感じますね」

ウェブで体験 生活に合った色と明るさを!

 新しい光の提案を行う、シャープのLED照明。中でも電球単体で調色・調光機能を持つ「DL-L60AV」は画期的だ。リモコンで明るさを300~430lmの7段階、色調を昼白色~電球色の7段階に変えることができる。7×7、49通りの明かりパターンを、「リビングルーム」「ダイニングルーム」「寝室」と3通りの生活空間に適用したら?

シャープのLED電球サイトでは、LED電球の利点や電気代のシミュレーション、リモコンを使って調光・調色機能のバーチャル体験ができるページ(写真)など盛りだくさんな内容だ

 ウェブ上で製品付属のものと同じリモコンを操作しチェックできるのが「バーチャル体験 調色・調光機能は、シャープだけ」のページ。くつろいだ食事や家族の記念日など、シーンに合わせた明りの演出も提案してくれる。

シャープのLED電球サイト

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