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次世代を支えるシャープのLED技術(前編)

LED電球の現在~シャープはなぜ取り組むか?

2010年03月30日 17時30分更新

文● 秋山文野、遠藤諭、写真●鉄谷ヤスヒロ

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そもそもLEDとは何か

 電流を流すと発光する半導体素子、「LED」(Light Emitting Diode)

電子パーツショップなどでよく見かけるLED

 P型とN型という性質の異なる半導体をつなぎ合わせ、その両端に電圧をかけると、その接合面が光る。電球のフィラメントや蛍光灯とは異なり、電気を直接光に変えることができるため、とても効率のいい発光が可能だ。

 LEDの色は、半導体を構成する材料(化合物)によって決まる。1960年代に赤色LEDが製品化され、次に黄緑色のLEDが登場。そして1993年に青色LEDが実用化された。これにより光の3原色すべてを表現できる発光ダイオードが揃った。

 LEDは電源ボタンなどインジケーターやピックアップ、液晶ディスプレー用のバックライトとして使われてきた歴史が長いため、パソコンユーザーにとってもなじみのあるデバイスだろう。

 とはいえ「LEDは光るモノ」という認識はあっても、豆粒のように小さな電球が、装飾やインジケーターとして光るというイメージが強い。蛍光灯や電球を置き換える「次世代照明器具の大本命」と言われても「いまいちピンとこない」読者も多いのではないだろうか。

 照明としてのLEDが注目されるようになってから、まだまだ日は浅い。高出力の青色LEDが普及して、高い輝度を実現できるようになったことが転機となった。


青から白が生まれる理由

 ご存じのように、光には赤・緑・青の三原色があり、3つすべてを重ね合わせれば白色が作れる。三原色のうち2つをとり出して重ねるとシアン(青と緑)、マゼンタ(赤と青)、イエロー(赤と緑)の3色ができ、赤とシアン、緑とマゼンタ、青とイエローなど、「三原色のうち1色」と「それ以外の2色を掛け合わせた色」の関係を補色と呼ぶ。補色同士を重ね合わせた光も当然白くなる。

 つまり青く光るLEDチップの近くに、黄色く光る蛍光体を置くことによって、白色が得られる。これを「疑似白色光」などと呼ぶ。これが現在の白色LEDの主流と言える方式だ。

 また、光源で照らされたものがどれだけ自然な色で見えるか(演色性)を高めるための工夫が進められている。例えば、黄色の蛍光体に赤色の蛍光体を混ぜ合わせたり、青色LEDに赤と緑の蛍光体を組み合わせるといった蛍光体の改善のほか、近紫外LEDに赤緑青の蛍光体を組み合わせる方式、赤・青・緑の3色、あるいは補色関係にある青緑・橙色の2色など複数のLEDを組み合わせる方式なども使われている。

 それぞれの方式には長所と短所があり、目的に応じた使い分けがなされている。

LED照明を導入すべき、4つの理由

 従来の電球や蛍光灯にはない、LED照明ならではの利点はなんだろうか? 大きく分けて以下の4点が挙げられる。

(1) 長く使い続けられる

 LEDの設計寿命は約4万時間となっている。明るさが低下し、光束(lm:ルーメン)が使用開始当初の値から70%以下となった時点で寿命が来たと判断されるのだ。寿命が来たLEDでも単に暗くなるだけで発光自体は続く。

 白熱電球のように突然フィラメントが切れて光らなくなってしまうわけではないし、蛍光灯のようにチラチラすることもない。

 4万時間と言えば、24時間点灯し続けても約4年半。1日8時間の点灯なら13年以上という長寿命である。寿命の長さの魅力だけでなく、交換そのものが長期間にわたって必要ないため、継続して使い続けていく手間が圧倒的に減るというのも利点だろう。

(2) お財布に優しい

 消費電力の低さも魅力と言える。例えばシャープのLED電球「DL-L401N」の消費電力は4.1W。一般的な30W型白熱電球(消費電力27W)はその約6.6倍もの電力を消費する。電球型蛍光灯でも8~12W程度が普通なので、1/3程度の消費電力と言える。点灯時間が長く、電気代が気になる場所での使用にはうってつけなのだ。

(3) エネルギー効率がよい

 照明器具の発光効率は、単位電力(1ワット)あたりの全光束(光の広がりも考慮に入れた明るさ)を示す「lm/W」で分かる。一般的な白熱電球のうち、比較的効率の高い100W球でも最大18lm/W程度。それに対してLED電球なら30lm/Wを超え、市販製品の中には90lm/W以上のものもある。この高効率性ゆえに消費電力も少なくてすむというわけだ。

 消費電力が少ないということは、電気を作るために必要なCO2の量も削減できる。

(4) 素材も環境に配慮されている

 長寿命で交換頻度が低ければ、そのぶんだけ廃棄する電球の絶対数も減らせる。これに加え、LED電球は製品に水銀など有害な材料を含まない。使用後のことを考えても、環境に配慮した製品なのである。LED電球は環境に優しいエコな照明と言えるだろう。

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