注目度の高い3Dテレビが
パナソニックとソニーから登場!
続いては、ニュースなどでも話題となっている3Dテレビ。パナソニックに続いてソニーからも3Dテレビが発表され、4月以降順次発売されていく。
まずは簡単に3Dテレビの概要を説明しよう。パナソニック、ソニーとも、3D映像の表示には「フレームシーケンシャル方式」を採用。これは、フルHD解像度の映像と右目用と左目用に交互に切り換えて表示する。
そのメリットは、フルHDの高精細な映像で3Dを実現できること。3Dメガネは内部に液晶シャッターをもち、映像に合わせて交互に左右のレンズのシャッターを開閉するアクティブシャッター型となっている。方式は両者とも同じなのだが、左右の映像を切り換えるタイミングが異なるため、3Dメガネには互換性はない。それぞれのテレビ専用のものとなる。
高い応答速度をさらに進化させ、ブレのない3D映像を実現した
パナソニック「3D VIERA」
まずはパナソニックの「VT2」シリーズから紹介しよう(関連記事)。製品は54V型の「TH-P54VT2」と50V型の「TH-P50VT2」の2モデル。ともに3Dメガネが1個付属し、別売の3Dメガネはおよそ1万円となっている。実売価格も50V型で43万円前後と、同サイズの「V2」よりも7万円高い程度に抑えられている。
右目と左目の映像を交互に表示する「フレームシーケンシャル方式」では、毎秒60コマの映像が左右で合計120コマとなり、プラズマでは初の120Hz表示となる。
従来の半分の時間で1枚の映像を表示するため、発光効率の向上が図られている。また、発光した光が長く残ってしまうと、右目と左目の映像が混ざってしまい、映像がブレたように見えてしまう。これを防ぐため、残光の短い新しい蛍光体や新発光制御が採り入れられている。
表示パネルは新開発の「フル・ブラックパネル」。3D表示を実現するために数々の改善が図られているが、それらの多くは2D表示パネルとしての性能向上も意味しており、より緻密な階調の表現が可能になると言われている。
また、発光効率の向上や予備放電レスなどによる500万:1の高コントラストは、映画などの暗部の再現性も格段に向上している。3Dテレビというだけでなく、従来の高画質テレビとしても極めて実力の高い、同社のハイエンドモデルだ。
なお、パナソニックは今後登場する3D収録のBDソフトの再生にも対応したBDレコ、「3D DIGA」も発表している。BDソフトに3D映像を記録する圧縮方式「MPEG-4 MVC」に対応し、フルハイビジョンの3D映像の再生が可能だ。
製品発売時点では3Dソフトが発売されないこともあり、体験用の3Dソフトが付属する。なお、このBDソフトの3D収録ソフトは、BDAの正式規格であり、3Dテレビと専用の3Dメガネの関係とは異なり、他社の3Dテレビと接続しても3D映像の再生が可能。もちろん、年末と言われる3Dソフトの発売までには、各社が3D映像(MPEG-4 MVC)に対応したBDレコーダー/プレーヤーを発売するものと思われる。
今、3Dテレビを買って見られるコンテンツはあるの!?
現在発表済みの3Dテレビは夏までに順次発売されていくが、肝心のコンテンツが気になる。というのも、3D収録のBDソフトは年末に発売される見通しで、それまではフルハイビジョンの3D映像はおあずけということになってしまう。
しかし、実はテレビの3D放送はすでに行なわれている。「BS11デジタル」では、2007年の開局時から3D放送を行なっており、現在も「3Dシアター」や「3Dの世界」などの番組が放送中だ。
3D放送は「サイド・バイ・サイド」方式を採用している。これは、毎秒30コマの映像のそれぞれのコマを左右で分割し、右目用の映像と左目用の映像を記録する方式。これを対応する3Dテレビでは、左右の映像を横方向に拡大し、3D表示を行なう。このため、横方向の解像度が半分(フルHD放送の場合は960×1080ドット)になる。
ただし、放送局にとっては、撮影用のカメラなどの制作機材を除けば、現在使っている放送機材が使えるため、コスト面で有利。そのため、放送メディアでは、サイド・バイ・サイド方式が採用されることが多いだろう。
そして、当然のことながら、パナソニック、ソニーともにサイド・バイ・サイド方式にも対応しているので、3Dテレビを買っても見るものがない、といったことにはならない。ちなみに、通常のテレビで上記の3D放送を視聴してみると、画面が左右に分割された状態の映像が表示されるので、興味のある人はご確認を。
ちなみに「スカパー! HD」も今夏から3D放送を行なうことを発表している。このあたりの話は後述する。
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