PUZZERO 1.2
作者:Studio Loupe
価格:350円(執筆時点は期間限定で無料)
iPhoneアプリの世界では、おそらく最大手なんじゃなかろうかと思われるソーシャルゲーミングネットワーク(SGN)が「OpenFeint」です。
SGNについて説明し始めると長いので簡単にまとめますが、要はオンラインランキングやアチーヴメント(Xbox LIVEで言うところの実績)、ユーザー同士の交流(特定のユーザー同士でタイムを競ったりすることもできます)などを提供しているサービスです。
ゲームに組み込まれていればユーザーも手軽に楽しめますし、デベロッパーさんも、お手軽かどうかはわかりませんが、そんなに難しいことでもなくアプリに組み込むことができるようです。
おそらく後者が大きな理由なのでしょうが、個人開発者さんを中心に対応タイトルはずいぶん増えてきました。さらに、FacebookやTwitterへの記録やアチーヴメントの書き込みもできます。これもなかなか楽しいです。
ざっと思い出してみても、iPhoneゲームではこのOpenFeintを始め、PLUS+、AGON、CRYSTAL……と、いくつものSGNがあるわけですが、そんな中で、OpenFeintは独自の展開として単独のアプリ「OpenFeint」をリリースしています(iTunes Storeで見る)。ゲームとくっついていてこそ成り立つSGNで単独アプリというのもおかしな気がするのですが、僕自身、たった1つの目的のために、毎日起動しています。
その目的が、無料アプリの紹介です。
はい、ようやく本題に近づいてまいりました(笑)。OpenFeint専用アプリは、毎日1本、OpenFeintに対応した無料のゲームアプリを紹介してくれるんです。これは便利。もともと無料だったものもあれば、中にはこの企画のために1日だけ特別に無料になるものもあります。けっこうですねぇ、「え! あれ、今日だけ無料!?」なんてのがありまして。大慌てでダウンロードしたりしています。まったくもって見逃せないわけです。
11日、OpenFeintでスタジオルーペさんの「PUZZERO」が1日だけ無料のゲームアプリとして紹介されました(iTunes Storeで見る)。
スタジオルーペさんは、日本の個人開発者さんです。事前に御本人が「OpenFeintで紹介される予定」とTwitterで書かれていたので驚きはしませんでしたが、何となくね、嬉しかったです。OpenFeintは海外発のサービスなので、日本のアプリって、紹介されたことあったかな? という感じなんです(なかったかも……あ、「SPACE INVADERS INFINITY GENE」の無料版があった!)。
しかも、この無料ゲーム紹介は毎日行なわれているものですから、世界中のユーザーが「昨日のあれはいまいちだったけど、今日のこれはいいな」なんて比較してたりもするわけですよ、きっと(僕がそうですから)。そんな世界標準のサービスであり、なおかつ一種の競争でもある舞台に、日本の個人開発者を代表してスタジオルーペさんが乗り込んだと……。まずはそのことがうれしかったんです。
ここで簡単に「PUZZERO」について御説明しましょうか。といっても、このゲーム、実は記事タイトルに書いてある通りで、ルールは極めて簡単なんです。画面に表示されている数字と計算記号を、式にしたら答えがゼロになるようになぞるだけです。大事なことなので、もう一回書きましょうか? まったくもって書く必要ないですね(笑)。
実際のゲームでは消えたマスにまた数字が出てきて、どんどん式を作っていくことになります。モードはいくつかありますが、基本的には制限時間内にどれだけゼロになる式を作れたかを競うわけです。実に簡単……なのですが、アセる。
僕なんかは計算脳がさっぱりなので、全然、式が発見できず、毎度毎度あせりまくりです。でもって、アセりまくろうが何をしようが、結果は……でも、楽しいからいいんです。
いわゆる脳トレ系の単純な計算を数だけこなしていくゲームがウォーミングアップなら、「PUZZERO」は本番の短距離競走といった感じでしょうか。スタジオルーペさんのタイトルは、このスピード感とあせる感じが、いつも魅力ですね。
というシンプルながらハマる計算ゲーム「PUZZERO」が、OpenFeintに紹介されてどうなったのかという話なのですが、なんと! アメリカ、イギリス、カナダの教育ゲームカテゴリーで、それぞれ無料アプリランキング第1位を獲得しました! おめでとうございます!
多少説明しないとあれかなぁと思いまして長々と記事を書いてきましたが、これが言いたかった! これだけが言いたかったんです、このくそ長い記事は。そして上の画像も、どれもこれもいっしょじゃないかと思われるかもしれませんが、左からアメリカ、イギリス、カナダのランキングです。すばらしい。みなさん、スタジオルーペさんにもう一度、盛大な拍手をお願いいたします。
この結果の分析等については、またいずれ御本人がブログで書かれるのではないかと思うのですが、ほんとうにおめでとうございました。
これでどれくらいダウンロードされたんだろう? 分かりませんが、それだけの数のユーザー(おそらく万単位? でしょうか?)が、日本の個人開発者であるスタジオルーペさんを知ってくれて、ゲームを遊んでくれたということに、まったくもって他人事ながら感動しています。素晴らしい。
ぜひ、みなさんも「世界が計算した」スタジオルーペさんの「PUZZERO」をプレイしてみてください。他のタイトルも、面白いですから。飲み会なんかで出してもウケるかも。
あ。最後にお知らせです。来週金曜、3月19日に発売になります電撃ゲームスでは今回の快挙を記念して(ウソ。今日から企画して、来週金曜の掲載は無理です)、スタジオルーペさんのメールインタビューを掲載させていただいてます(掲載は本当)。御興味持たれましたら、ぜひ、よろしくお願いいたします。といいますか、それは立ち読みでもよいので、まずはスタジオルーペさんのアプリを遊んでください!
筆者紹介──倉西誠一
石川県金沢市出身の元・電撃PlayStation編集長。著書は「モンスターハンター」シリーズのプレイログである「狩られ道」「狩られ道豪黒毛」(いずれもアスキー・メディアワークス)だが、最近はすっかりiPhoneゲーマー。Twitterアカウントはkararemichi。
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