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ソースネクスト社長 松田憲幸氏に聞く

iPhoneとサポート、2つの新事業に挑むソースネクスト

2010年03月12日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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ベッキーさんと松田憲幸氏 戦略説明会で、2010年のイメージキャラクターに抜擢されたタレントのベッキーさん(右)と、ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏。松田氏が手にするのが「パソコンなんでも相談サービス ほっ!」のパッケージ

 去る3月1日、事業戦略説明会を開催したソースネクストは、2つの新規事業を発表した。ひとつは「iPhoneアプリ市場への参入」で、もうひとつは、メーカーや製品を問わない有償サポートサービス「パソコンなんでも相談サービス ほっ!」。

 パソコンソフト事業最大手が挑む新たなるビジネスの狙いとはなにか。同社代表取締役社長の松田憲幸氏に話を聞いた。


iPhoneアプリ市場は95年当時のWindowsと同じ!?

 日本でも急速に普及台数を伸ばしたiPhone。しかしゲームメーカーや小規模な独立系事業者を除けば、国内ソフトウェアベンダーの動きは鈍いように見える。App Storeというプラットフォームベンダー独占のソフトウェア流通システムしかないこと、アプリケーションの単価の低さ、既存のパソコン向けソフトとは求められるものが異なることなど、理由はさまざまあろう。

 それに対してソースネクストは、ヒット商品「超字幕」シリーズをベースにした英単語帳ソフトの無償提供を皮切りに、年内に30タイトルものiPhoneアプリを提供する予定という。ソースネクストはiPhoneアプリ市場の現状と今後を、どう見ているのだろうか?


超字幕 どこでも単語
iPhoneアプリ参入第一弾の「超字幕 どこでも単語」

ASCII.jp:まずは、なぜiPhoneアプリ市場に、ソースネクストのビジネスとして参入しようと考えたのでしょうか?

松田氏(以下敬称略)「私がこのビジネスを始めた1995年頃、『Windows 95が来るな』と感じたのと同じような環境にあるからです。今のスマートフォンの中でも、UIの使い勝手から市場シェアの伸び率など全体的に見て、『iPhoneとiPadは来るな』と感じました。ソフトウェアを売るためにはハードウェアがなければどうしようもありません。そのインフラベースが確実に伸びる、その確信があったこそ出そうと考えた、これにつきます」

ASCII.jp:iPhoneやiPadはソフトウェア販売がApp Storeに集約されているのに対して、御社のビジネスはソフトウェアパッケージの店頭販売が基本です。かなりビジネスモデルが異なりますが?

松田「ものが売れるきっかけはいくつもあります。店頭販売の場合は店頭露出ですね。しかしそれだけでなく、(製品の)ネーミングによる訴求力も大きい。ネーミングとはブランドであると思い、当社ではずっと製品のネーミングに注力してきました。その資産をiPhoneアプリ市場でも、そのままブランドとして引き継げると思います」

「もし、我々がブランドを形成していなければ、参入しても単なるOne of them(その他大勢)になるのでしょうが、ある程度のブランドがある。弊社の登録ユーザーは600万人以上で、iPhoneユーザーも増えています。このお客様にiPhone参入を知らせるだけでも違います」

「私が当社の資産で大きいと思っているのが、まずブランディングの資産。『特打』や『驚速』、『携快電話』といった資産です。それとユーザーの資産。この両方をiPhoneでも生かせるのではないかと考えたのがきっかけですね」

ASCII.jp:ソースネクストは非常に多岐にわたるパソコンソフトのラインナップを持ちますが、どういったパソコンソフトなら、iPhoneやiPadと親和性の高い製品になるでしょうか。

松田「基本は変わらないと思います。画面サイズによる制限は当然ありますし、販売にアップル社の許可がいる点も違いのひとつですが、当社の製品の場合、それが大きな障壁になるとは思っていません」

「むしろiPhoneの場合、アプリケーションがたくさんあるとはいえ、本当に便利なアプリケーションはそれほど多いわけではない。例えば電話帳アプリでも、『携快電話』のような高度な機能はない。あるいは英語版のアプリしかないこともある。その点は14~15年前のパソコンソフト市場とまったく同じです」

今後予定されるiPhoneアプリのタイトル 戦略説明会で示された、今後予定されるiPhoneアプリのタイトル。「筆王」や「特打」など同社を代表するブランドの名が並ぶ

松田「当社が『驚速』や『特打』という名前を付け始めたのも、当時英語の名前のソフトしかなく、あまりにも取っつきにくかったからでした。今のiPhoneアプリでも、名前を聞いて中身がパッとわかるものはあまり多くなく、日本語名のアプリはさらに少ない。当時のパソコンソフト市場の状況と似ています。だから日本のiPhoneユーザーに、『こういうソフトがありますよ』と教えてあげる意味では、当社の今ある商標は、効果があるのではないかと思います」

「一方、大きな違いをひとつあげるとすれば、パソコンは(ハードウェアが)無限の種類がある、一方でiPhoneには基本的に1種類しかない。メーカー側としてはテストの手間が減るのは利点です。またその反面、ハードが複雑怪奇ではない分、『複雑なところを解決するアプリ』は作りにくいかと思いますね」

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