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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第67回

「日本のネットを開国したい」非モテSNSえがちゃん本気で語る

2010年03月13日 12時00分更新

文● 古田雄介

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ハチロク世代の力で世界を変えていきたい

―― では、永上さんの目指しているところを教えてください。「ジャンル」として非モテ系を極めて、より巨大なコミュニティにしていく方向ですか?

永上 それはありますね。非モテSNSの現在の会員は4万人ですが、これを年内に10万人にできたらと思っています。また、自分の会社で100万人のコミュニティを運営したいという夢もありますね。

 ただ、さらに根っこの部分でいえば……「侍魂」や初期の2ちゃんねる、僕はあの頃のインターネットが大好きなんですよ。だけど、ネットが本当にジメジメして盛り上がっていたとき、僕は小学生だったんです。だから、あの頃の時代に乗り遅れたという感覚が常にあるんですよ。

 あの頃のジメジメした感じの空気感を復活させたいというか、ああいった雰囲気の新しい価値観を生み出していきたいという思いが強くあります。最近のネットはすごく健全な感じがするんですよ。それは、企業がお金をかけて誰でも楽しめる安全なサイトを作っているのもありますが、ブログや大手SNSに日記を書くと会社の上司に見られるということもあったりして、実社会での人格とネットでの人格が離せなくなっているのも大きいんですよね。ネットの世界だけで出すジメジメした各人の顔がなくなっていて、健全だけど自由がなくなっているという。

実社会ではこれまで3社を渡り歩いており、「25歳くらいに会社を作りたいという思いがあって、営業職や顧客管理など勉強したい職種に移っている感じです」と語った

―― ただ、永上さんもチームや会社を作ってウェブサービスを作る方向にシフトしていますよね。規模が大きくなるとしがらみが増えて、目指す空気と逆の方向にいきませんか?

永上 そのジレンマの中でどれだけ遊んでいけるかですね。ある意味で大人との戦いなので、望むところだなと思っています。最終的には、こっちが正義で勝ちたいなと。2008年に個人でやる限界を感じましたが、非モテSNSは30人でやっています。30人でやっていると、すごく色々できますからね。

―― なるほど。今のネットは30代や40代の「大人」が中心の文化ですからね。それを若い世代、永上さんやそれより下の世代にとって心地良い環境を作るということですね。

永上 まさにそれです。僕は昔から坂本龍馬みたいになりたいと思っているんですよ。日本のネットを開国したい。日本発で海外に広まるような文化を造っていきたいんです。正直、今は上の世代に閉塞感が漂っていると感じるんですけど、若い世代が新しい価値観をガンガン生み出していけば何か見えてくると思います。空気感としては、個人的に高度経済成長期が好きなんです。あの世間全体がエネルギッシュな感じが。会社をスタートさせたら、僕一人でも高度経済成長期の勢いを出していきたいですね。

―― 私32歳ですけど、これまで価値観についてのジェネレーションギャップを下の世代の人から聞いたことがなかったので、すごく新鮮です。「もっとガンガンやってこうぜ」「なんかいま上の奴は冷めてるよ」みたいな感じですか?

永上 そうですね。僕はハチロク世代で、草食系と言われたりしていますけど、僕たちが世界を変えていくんだという意識はあります。同世代でもけっこう同じ意見を持っている人はいますしね。あと、同世代でもIT関連でメディアに明るい人はまだ少ないので、僕がテレビや新聞や雑誌にバンバン露出して、そちら側からもイメージを変えていきたいと思っています。やっぱり僕は営業畑ですから、そういうのが得意だし、好きなんですよね。



筆者紹介──古田雄介


古田雄介

 元建設現場監督&元葬儀業者&現古銭マニア&毎週仕事で秋葉原と都内量販店に足繁く通う毎日を送る現デジタルライター。「古田雄介のブログ」ではみなさんのお勧めサイトを募集中です。現在、ジェネレーションギャップについて勉強中。




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