昨今の金融危機により、経済情勢は悪化。しかも、市場動向も急速に変動し続けている。そうした状況の中で、企業はコスト面と顧客への迅速な対応に追われ、ITソリューションの導入に今一歩踏みきれない。今回の3社による協業は、そうした現状を踏まえ、さらなるコスト削減と生産性向上を狙った柔軟性の高いITソリューションを提供していく考えだ。
日本ヒューレット・パッカード(株)、マイクロソフト(株)、JBCCホールディングス(株)の3社は2日、ITソリューションメニューの開発および提供に関して協業すると発表した。3社の技術や知識、販売ルートを相互に共有し、企業に向けた柔軟性の高いITソリューションを提供していくことが狙い。
その第1弾として、中堅中小企業を対象に、日本HPのハードウェア、MSのソフトウェア、JBCCのサービスなどを、月額払いとして提供する「ファーストスターターキット」を開発。2010年4~6月に提供する。
また月額払いの延長線上には、SaaSやPaaSの形でメニュー化を検討し、提供する計画もある。
3社協業のソリューションメニューの名称は未定だが、すでに共通サービスとして、ネットワーク上に存在するサーバーやPCなどのデバイスやユーザー属性、アクセス権限といったドメイン管理を簡易化・効率化するActive Directory導入構築サービスを用意している。
具体的なソリューションの内容に関しては、下記を参照してほしい。
コラボレーションプラットフォーム
マイクロソフトとJBCCのソリューションを組み合わせ、ワークフローの改善と効率化を図るのが狙い。すでに下記の3つのメニューを用意している。
- Exchange with Forefront導入構築サービス
- SharePoint with Forefront導入構築サービス
- SharePoint & PetitWorkflow 導入構築サービス
特に、SharePoint & PetitWorkflow 導入構築サービスについては、承認ワークフローや紙ベースでの承認作業を効率化するソリューション「プチワークフロー」(JBCCオリジナルソリューション)を、ドキュメント管理機能も備えているSharePointとともに推進しているとのこと。
サーバー仮想化ソリューション
MSの仮想化基盤と統合管理ツール。加えて、仮想化と電源効率、管理性に優れた日本HPのサーバープラットフォームと、ストレージシステムを統合した「Hyper-V & System Center導入構築サービス」を提供。
効率化ソリューション
電源管理機能に優れたWindows 7などのクライアントソフトと、日本HPのPC製品ラインアップを活用し、大幅なコスト削減を図るというもので「Windows 7(App-V, MED-V)導入構築サービス」を提供する。
これらのITソリューションについて、JBCC広報部によれば「発表に先行してご案内した検討中の企業様が数社いる」とのこと。
各社の連携を強化する具体的施策も実施
また各社の連携を強化するための具体的な施策についても発表されている。
JBグループ(JBCC関連会社の総称)
今回の協業に向けて、ITソリューションメニュー営業部隊を専任部隊を東京・名古屋・大阪に配置。さらに、JBグループの社員約200名が既に取得しているMCPおよびMCTS資格については、技術者を対象にMCPをベースとして、下記の上位資格の取得者約400人を目指す。
- 基盤系技術者にはMCDST→MCSA→MCSE
- 開発系技術者にはMCDBA、MCAD→MCSD
加えて、販売・営業スタッフについてはMCTSをベースに、MCITP、MCPDといった上位資格の取得を目指す。
日本HP
これまで培ってきた豊富なハードウェア関連の技術支援や、顧客ニーズに沿ったソリューションの検証環境の提供。また、同社が育成した高レベルなITコンサルタントと連携したシステム提案活動に注力。
マイクロソフト
ソフトウェア面でのソリューションメニュー開発の技術支援。そして、JBグループ社員への資格取得に向けた無償トレーニングの実施。
イベント・セミナーなどを通じた浸透も図っていく。直近では4月上・中旬に、日本HP主催の「Notesマイグレーション」をテーマにしたセミナーを開催予定。
また、JBグループが注力するイベント「IT Forum 2010」にて、下記のセッションを実施する予定だ。
- 5月20日大阪会場(ホテル阪急インターナショナル)
- 5月26日東京会場(ウェスティンホテル東京)
- 6月08日名古屋会場(ヒルトン名古屋)