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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第4回

仮想OSソフトを究極の省スペースPCにする技 後編

2010年03月02日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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仮想HDDは「可変」
グラフィック機能のオプションは基本的に有効で

 仮想HDDは、「可変」と「固定」という2種類の設定が用意されている。例えば、40GBの仮想HDDを使いたい場合、あらかじめ40GBの領域を確保してしまい、物理HDDの領域をその分消費するのが「固定」。「可変」は、仮想HDDに実際に保存しているデータ分だけ物理HDDの領域を消費するが、仮想OS上からは40GBの領域として利用できるものだ。

HDDは可変タイプを選択

HDDは可変タイプを選択

 筆者は「可変」を使っている。「可変」の場合は実使用容量がフレキシブルに増えるので、物理HDDの空き容量が減ると仮想OS上でエラーを起こす可能性があるが、その程度は使う際に注意することで十分対応可能。ビジネスでサーバーを運用しているのでなければ、万一の際もその場の対処でなんとかなる。

 設定を済ませたあとのインストール作業は特に変わりはない。なお、仮想OSのインストール途中に、仮想OSのウインドウ内をクリックすると、マウス操作がキャプチャーされて仮想OS内でしか動かせなくなる。その場合、Sun VirtualBoxなら「右Ctrlキー」、VMware Playerなら「Ctrl+Altキー」を押すと、キャプチャーが解除されてホストOSで操作できるようになる。仮想OSのWindows起動後に追加機能をインストールすると、ホストOSと仮想OS間で自由にマウスを動かせるようになる。

仮想OSのインストール作業中

仮想OSのインストール作業中

 なお、VMware PlayerはWindowsをインストールする際に、プロダクトIDやユーザー名などをあらかじめ入力する機能を持つ。ホストOS上のウインドウで操作するのでコピー&ペーストも可能だ。筆者は、多数あるOSのプロダクトIDをテキストファイル上で管理しているので、コピーできると非常に楽でいい。一方のSun VirtualBoxの場合は、IDを入力せずにインストールして、追加機能をインストールしたそのあとに、仮想OS側コントロールパネルの「Windowsライセンス認証」で、コピー&ペーストするようにしている。

初期設定時にプロダクトIDやユーザー名を入力できる

VMware Playerは初期設定時に、プロダクトIDやユーザー名を入力できる

インストール作業後にアクティベーション

インストール作業後にアクティベーションすれば、どちらの仮想OSソフトでもコピー&ペーストできる

 「グラフィック機能の設定」もチェックしておきたい。グラフィック表示に使うビデオメモリーを増やし、拡張機能を有効にするとDirect3D 8/9やOpenGL 2.0を利用できる。とはいっても完全に動作するわけではなく、ソフトによっては表示できないこともある。だが、有効にしておくにこしたことはない。

「ディスプレー」→「ビデオ」タブ

「ディスプレー」→「ビデオ」タブで、ビデオメモリーを増やしたり、3Dアクセラレーションや2Dビデオアクセラレーションを有効化できる

 仮想OSでもネットワーク機能を利用できるし、当然インターネットにも接続できる。ただSun VirtualBoxでは、ネットワークアダプターの設定が「NAT」になっている。この場合、仮想OS側は独自のネットワークを構築していることになり、セキュリティー面では安心だが、ホストOSとネットワーク接続できない。そこで、筆者はネットワークの設定を、「ブリッジアダプタ」に変更している。これで、Windowsのネットワーク機能でホストOSにアクセスできるようになる。

「ネットワーク」→「アダプタ」タブ

「ネットワーク」→「アダプタ」タブで、「割り当て」のプルダウンメニューから変更

 筆者がもうひとつ忘れずに設定しているのが、「キーボードの自動キャプチャ」機能だ。これは、仮想OSのウインドウがアクティブになると、自動的にキーボードの入力を切り替えてくれる機能だ。通常の使い方なら、「有効」のままで便利に使えるだろう。

 ただ、筆者は記事に載せるために画面を撮る必要がある。この機能が有効になっていると、ホストOSで起動しているキャプチャーソフトのホットキーが使えなくなってしまうのだ。そこで、自動キャプチャー機能を無効にしている。この状態でも、仮想OSの入力フォームをクリックすれば普通に入力できるので、使い勝手にはほとんど影響しない。

キー入力キャプチャーの設定

管理画面の「ファイル」メニューから「環境設定」→「入力」でキー入力キャプチャーの設定をできる

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