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物欲AVコモノ道 第43回

「Xacti」の名を冠した三洋ICレコの魅力

2010年03月01日 12時00分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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 「iPod」をはじめとする再生専用のデジタルオーディオプレーヤーの陰に隠れて目立たないが、着実に進化し続けているのがインタビューや会議などの音声記録を目的としたICレコーダーだ。そのキーワードとなっているのが、無圧縮で録音する「リニアPCMレコーダー」。従来、ICレコーダーというとビジネス利用がメインだったが、リニアPCMレコーダーの登場によりライブや楽器練習時の録音など、高音質にこだわって録音する趣味の領域にまでその用途を広げている。

 このICレコーダー、リニアPCMレコーダーの世界で存在感を示し続けているのが三洋電機である。同社はMP3形式での録音や、USBコネクターを内蔵し、パソコンに直結できる製品をいち早く市場に投入するなど、ICレコーダーの進化を牽引してきた存在だと言える。その三洋電機から新たにリリースされたのが、「Xacti」のブランド名を冠した「ICR-XPS01MF」だ。

「ICR-XPS01MF」

「ICR-XPS01MF」

 三洋電機のXactiと言えば、ビデオカメラのブランドとして通っているが、リニアPCMレコーダーにこのブランドを利用したのはビジネス用途よりも個人での利用を中心に捉えているからだろう。それが如実に表れているのが、製品に付属するドッキングスピーカーである。

 以前からICレコーダーにMP3形式の音楽データを再生する機能は搭載されていたが、どちらかというとおまけ的な印象が強かった。しかしICR-XPS01MFは、ドッキングスピーカーを製品に添付することにより、「音楽も楽しめるPCMレコーダー」として差別化を図っている。またFMチューナーを内蔵しており、タイマー録音にも対応している。

 さらに実売価格も2万円前後と、ドッキングスピーカーが付属していることを考えると割安だ。


9.4mmという極薄ボディの魅力

実際に手に持ってみると、薄さを実感する

実際に手に持ってみると、薄さを実感する

本体背面

本体背面。リチウムイオンバッテリーを採用する

 ICレコーダー/リニアPCMレコーダーは小型・軽量化が急速な勢いで進んでいるが、ICR-XPS01MFも相当小さい。特に印象的なのがその薄さで、わずか9.4mmしかない。この薄さを実現している理由の1つが、バッテリーに乾電池を使わず、薄型のリチウムイオンバッテリーを内蔵したこと。なお、本体サイズは幅38.8×奥行き9.4×高さ96.3mmで、胸ポケットに入れて軽々と持ち運べる。

 バッテリー駆動時間は、PCM(44.1kHz)録音時で約14時間、MP3形式(ステレオ、64kbps)録音時で約19時間(いずれも省電力モード時)となっており、まず困ることはないだろう。ヘッドフォン再生は、PCMで約15時間、MP3(ステレオ 64kbps)で約20時間となっている。さらに電力消費を抑えた「消灯モード」も用意されており、これなら上述のMP3形式で約36時間の録音/約46時間の再生が可能となっている。

本体底面のUSB端子。パソコンとはケーブルで接続する

本体底面のUSB端子。パソコンとはケーブルで接続する

本体上部のマイク

本体上部のマイク。マイク端子とヘッドフォン端子を装備する

本体左右側面

本体側面。左(上)にはmicroSDカードスロット、右(下)には電源スイッチがある

 充電およびパソコンとの接続には、本体底面に用意されたUSB端子を利用する。パソコンとの接続には別途ケーブルが必要で、直挿しはできない。

 マイクは本体上部にL/Rの2基を備えている。またその間にはマイク端子とヘッドホン端子が並ぶ。マイク端子はライン入力端子を兼ねており、コンポなどのライン出力端子と接続して録音することも可能だ。本体側面にはmicroSDカードスロットがあり、製品に2GBのメディアが添付されている。

タッチセンサー式の操作部。電源を入れると赤く光る

タッチセンサー式の操作部。電源を入れると赤くアイコンが浮かび上がる

録音時の画面

録音時の画面

 操作のためのインターフェイスが凝っているのも特徴だ。特に目を引くのは、再生やボリューム調整、メニュー操作を行なうタッチセンサー式の9つのボタンである。本体に触れるとバックライトが赤く発光し、ボタンの文字を浮かび上がらせる。ICレコーダーというと質実剛健なイメージが強いが、ICR-XPS01MFはデジタルオーディオプレーヤー的な遊び心が垣間見える製品となっている。

 メニューなどを表示する液晶パネルは漢字表示にも対応した高解像度のもので、タッチパネル同様に赤色で文字やアイコンが表示される。タッチセンサー式のボタンを使ったメニュー操作のレスポンスもよく、軽快に操作できるのは嬉しい。

 遊び心という意味では、(今回試用した)「レッド」のほか、「シルバー」と「グリーン」の3色のカラーバリエーションが用意されているのもポイントだろう。

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