※この記事は、「徹底解剖! 成功ネットショップの現場ノウハウ」の第30回です。過去の記事もご覧ください。
趣味性の強いコレクターズアイテムを扱うネットショップは、1点モノの商品が多いため、「撮影に時間がかかる」「商品の入れ替えが激しい」など、煩雑な作業が増える側面があります。コインや古銭を販売する『アイコインズ』も然り。たとえば、同じ500円硬貨でも、未使用か否か、白銅貨か黄銅貨か、何年に発行されたかによって価値が異なるため、それぞれ分類した商品ごとに撮影しなければなりません。ただし、「平成3年発行の500円の白銅貨」を100枚入荷した場合、100枚すべての商品を撮影するわけではありません。その線引きを、店主の石塚眞一郎さんはこう話します。
「希少価値が高くて、単価が何万、何十万円もするようなコインを複数入荷した場合は、1枚ずつ撮影してサイト上に掲載しますが、数百~数千円程度の単価の安い商品を入荷した場合、“代表的な1枚”だけを撮影します。単価の安い商品は、その分、市場に出回る数が多く何百枚単位で入荷することもあります。すべてを撮影するのは理想的ではありますが、費用対効果等も考えると現実的ではありません」
この“代表的な1枚”を撮影するとき、石塚さんが注意していることがあります。それは、汚れが目立つものなど“状態の悪い商品”の画像をあえて選出して撮影すること。
「数百枚入荷したうち、状態が悪い方の商品画像を掲載しておけば、少なくとも、“商品画像以上”のきれいな状態の商品をお客様のもとにお届けできます。『こんなはずじゃなかった』という不満やトラブルを未然に防ぐことにもつながっています」
ところで、コインや古銭は、細かく分類した上での在庫管理が必須です。石塚さんは、開業当初は自宅の一室を利用して在庫を管理していましたが、増え続けるコインや古銭の収納場所確保と整理のために、マンションの一室を事務所として新たに借りることにしました。以下の写真のように、収納ケースを部屋の壁面いっぱいに用意し、コインの種別ごとに分けて保管しています。
「ネガフィルムを保管する時に使われるマウントホルダなどを活用し、コインや貨幣を1枚ずつ保管し、さらに、年代別などに分けた収納ケースにしまっています。こうしておけば、注文があったとき、すぐに取り出して送付する態勢を整えられます。細々した商材を扱うお店は、いかに自分が分かりやすいように分類できるか考えながら商品をストックしておくことは、効率的に運営するためにも非常に重要なことだと思います」
商品の撮影も、事務所内の一角で。「ただし今は、商品撮影は知人のカメラマンに任せ、定期的に撮りに来てもらうようにお願いしています。ある程度の年商を超えると、1人で何もかもやるには限界がきます。信頼できる外注先を見つけたら、プロに任せるべき部分はすべて任せてしまう。そんな姿勢も必要だと思っています」
■今回の成功ネットショップ:
コイン・古銭の販売『アイコインズ』

28年間続けたサラリーマン生活にピリオドを打ち、2000年5月、コインや古銭を扱うネットショップ『アイコインズ』をオープン。2000年前の中国のコインはじめ、日本や世界の貨幣やコインを販売している。コアなファン層が多く、7~8割がリピーター。楽天市場に支店もあり。年商1億円。
- URL:http://www.icoins.net/
- 店主:石塚眞一郎さん