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行っとけ! Ubuntu道場! 第14回

~師範! Ubuntuの仲間たちで音楽制作ですよ! その2~

2010年02月25日 16時00分更新

文● hito(Ubuntu Japanese Team) イラスト●瀬尾浩史

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ホントにLinuxで演奏できますか?

村田:よく分からないんですけど、Windowsだと「ASIO」とかなんかそんなものが必要とか小耳に挟んだ記憶があります。

ミズノ:バイク屋のロボですね。

小林:白くて、転んだりするロボですよね?

編集S:そこのEmacsヲタとリーダー、それはASIM○だ。

のがじゅん:ASIOっていうのは、「Windowsの普通の音声再生よりも早く音が出る、専用の仕組み」のことですね。

やまね:「早く」?

ミズノ:「速い」わけじゃないんですね。

のがじゅん:そうですね。「速く」音を出す、だと意味が変わってしまいます。きゅるきゅるきゅるきゅるーみたいな。

hito:普通のOSだと、普通に音を出力させようとすると、ほんのちょっとだけ時間がかかるんです。いわゆる「レイテンシが大きい」状態。で、ASIO経由で音を出すと、レイテンシが小さくかつ一定になる、という。

小林:……ぷすんぷすんぷしゅー。

瀬尾浩史:またリーダーが煙を噴いたペン!

のがじゅん:楽器の方のキーボードをPCにつないだとしますよね。で、それを叩いてVSTiのソフトシンセで音を出そうとすると……。

やまね:レイテンシが大きいと、鍵盤を叩いてから音が出てくるまでに時間がかかる?

のがじゅん:です。自分で叩くと「なんか違うなー」って感覚が出るんですよ。

hito:思い通りに音が切れない感じですね。鍵盤から指を離しても、なぜか0.1秒ぐらい音が続いたり、そもそも叩いたタイミングで音出ろよみたいな。

ミズノ:で、それをUbuntuでどうにかするには?

のがじゅん:LinuxにはRT(リアルタイム)カーネルというのがあって、これを使うとレイテンシが小さくなります。

hito:あくまで小さくなるのはレイテンシで、速くなるわけじゃない、というのはポイントですね。レイテンシが小さくなる分、最終的なスループットも減ります。

村田:あーなるほど。理解しましたミソ。

編集S:しくしく。技術に詳しくないへんしゅーにも分かるように説明して頂きたく。

のがじゅん:えーとですね。RTカーネルっていうのは、「いつでもすぐに応答します!」っていう動作なんです。その「いつでもすぐに」のためには、他の作業をしてても細かく割り込みをかける必要があるので……。

編集S:複数の原稿を同時に取り立てしてて、いま大変なんですけど、そういうことですね。理解した!

小林:いつも原稿が遅くて申し訳ありません。ハリセンだけは(がくがくぶるぶる)。

瀬尾浩史:ハリセンだけは(がくがくぶるぶる)。

編集S:貴様らも、原稿アップのレイテンシは小さくしとけ。

hito:実際にはちょっと違うんですけど、「いつ電話がかかってきても大丈夫なように、1分で電話を切る習慣のある人」と「10分ぐらいは電話で話す人」を考えるとわかりやすいかもしれませんね。前者なら大抵いつでも電話がかかりますけど、打ち合わせの効率は後者の方がよさそう。で、前者がRTカーネル。

ミズノ:それで「Ubuntu Studio」はRTカーネルなのかー。

やまね:DebianでRTカーネル使おうと思うとカーネルコンパイル必須だからなー。

のがじゅん:RTカーネルがサクっと「Synaptic」から入れられるのは重要ですねー。

Synapticから「ubuntustudio-desktop」をインストールすると、RTカーネルやAVアプリケーションなどが導入され、通常のUbuntuが「Ubuntu Studio」と同等になる

村田:Windowsでレイテンシを小さくしようとするとASIO対応の機材が必要ですよね。ということは、Ubuntuではそのあたりを気にしなくてもいい?

のがじゅん:Linuxでやる場合はそーですね。

hito:アナログをPC内部に持ってくるとノイズとの戦いが待っているので、安めに揃えるならUSBオーディオインタフェースがいいですね。RMEとかの高いインタフェースなら内蔵でもいーんですけど。

村田:RTカーネルは普段使いするにはオススメではない、ということでいーですか?

hito:ですねぇ。RTカーネル独自のバグはあるし、そもそも普通に使って意味があるかというと。

のがじゅん:音楽制作しないなら、要らないと思います。

ミズノ:超高速で文字入力したりする人にメリットが、みたいな都市伝説もありそうですけどー。

hito:ないない。ニュータイプな反応速度を持ってる人なら気になるかもしれませんが、そもそも速くなるわけじゃないですし、文字入力の場合は人間の体感で気づかない、みたいな制約もあるので。

あわしろいくや:文字入力の場合は「あとからまとまって出てくる」でも気になりませんからな。よほど遅くなければ。

ミズノ:じゃあ黄金聖闘士はRTカーネル使えってことで。

のがじゅん:音が出てくる場合は気づくんですけどね。不思議なものです。

小林:ぷしゅー。

瀬尾浩史:り、リーダーが煙を吐き始めたので次ページに進むペン!


(次ページへ続く)

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