ASCII.jp読者の皆さんには、これまでの連載(目次記事)でセキュリティーソフトの重要性については理解いただけたと思うが、筆者がユーザーからよく受ける質問として、「なぜ企業向けのセキュリティー製品が必要なのか?」ということがある。
今回は、企業向けと個人向けのセキュリティー製品の違いに着目し、なぜ企業向けのセキュリティーソフトが必要なのかを解説していこう。
皆さんが仕事でお使いのPCには、セキュリティーソフトはインストールされているだろうか? 職場で(あるいは普段仕事で)使うPCのタスクトレイを確認してほしい。図1のようなアイコンが表示されているのではないだろうか。
皆さんの所属する会社・組織によって、さまざまなセキュリティーソフトがインストールされていると思うが、万一いま何もインストールされていないようであれば、即刻システム管理者に問い合わせるべきだ。
会社のPCなら、システム管理者の責任でセキュリティーソフトをインストールしていることも多いが、自宅のPCでは自分の選択でセキュリティーソフトを入れるかどうか決めているだろう(もちろん、自宅PCにも入れるべきではあるが)。会社と自宅のPCにインストールされているセキュリティーソフトのアイコンや画面を見比べると、デザインや設定可能な項目がまったく違うことに気づくだろう(図2、図3)。
比較してみると、企業向けのセキュリティーソフトは設定項目が少なく、シンプルな印象を受ける。事実、企業向けと個人向けのセキュリティーソフトでは、ユーザーが設定できる項目や機能がずいぶん異なる。もちろん、不正プログラム対策という基本的な機能に違いはないが、企業向けは予約検索の時刻設定やアップデート頻度を設定できないうえ、システム管理者によって“ソフトウェアのアンインストール”ができないように設定されているケースもある。
なぜ、このような違いがあるのだろうか? ある企業で、各々の従業員が自身の業務用PCにそれぞれ個別のセキュリティーソフトをインストールしたケースを例に、考えてみよう(図4)。
(次ページ、「企業向けセキュリティー製品固有の機能とは?」に続く)

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